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攻略本

私が小学生の頃、父親がドラゴンクエストをプレイしているのを、横で見ていました。

記憶にあるのは、ドラゴンクエストⅤ です。

ストーリーとかはよく分からなかったので、レベル上げをしているのを見るのがとても楽しかった記憶があります。時々代わりにさせてもらえました。

 

同時に父親が買ってきた「攻略本」を読むのが好きでした。何度も何度も読み、武器とか戦い方とか、敵の種類とかを研究するのが楽しくて、紙にうつしてまとめていました。

 

小学校低学年の頃は、ゲームといっても「スーパーマリオ」みたいなアクションゲームを好んでしていましたが、やはり「ドラクエをしてみたい」という想いがあったのか、クリスマスに「ドラゴンクエスト1・2」を買ってもらい、はじめて自分で挑戦しました。結局クリアする前に飽きてしまい、父親がクリアするのを見ていましたが、その時も攻略本を読むのが好きでした。

 

それから、ドラクエのようなRPGロールプレイングゲーム)をするときは、「攻略本」が欠かせませんでした。大人になってRPGをした時は、ネットの攻略情報を印刷して、プレイすることもありました。

それくらい私は、「どうやって攻略するか」がある程度わかっていて、その通りにプレイしていくのが、好きで、攻略本に頼らずに進めていくとか、うまくいかずにゲームオーバーを繰り返しながら進めていくとかいった、遊び方を選びませんでした。とにかく、堅実に確実に進めていく。それが私のプレイスタイルだったように思います。

 

そして、現在。『学び合い』に出会って、同じようなことをしている自分に気づきました。

私が『学び合い』に出会った時は、「スタートブック」「ステップアップ」「ネットブック」が『学び合い』の

いわゆる攻略本でした。『学び合い』を始める前に、これらの本を読み込み、この本の通りに進めました。

 

授業に取り入れて見て、「あれ?こういう時どうするんだろう?」ということがあった時は、

「攻略本」をまた何度も読み返しました。たいていのことはのっていたので、「攻略本」通りに語り、課題をつくり、授業を進めていきました。

 

それでもこの本に書いていなかったことや、少ししか触れていなくて、実際にどうすればいいかわからないこともありました。しかし、周りにこの実践のことを話す相手もいないし、コソコソやっているので、おおっぴらにもできません。仕方なく、自分で考えるしかありませんでした。

こんなことを2年近く続けていました。

 

『学び合い』を実践して数年たって、『学び合い』の本が世にたくさん出回るようになりました。

私は「お、攻略本がまた出たぞ」という感覚で、買っていたと思います。

買って、読んでいて改めて自分の実践に足りないことや、よくわかっていないことを見つけることもできたのですが、一方で自分が考えてひねり出したことものっていたりしました。「ああ、こういうことでよかったのね」という感じです。

 

※後から感じるようになったのですが、『学び合い』を取り組んでいると同じようなことが起こるので、考えた方も似てきて、実践者の方と話すと「え、同じじゃん」と思うことがたくさんあるのが不思議でしたが、これこそが『学び合い』の再現性の高さではないかと私は思います。

 

 

それから数年、『学び合い』関連の書籍は書店にいけば、大量にあります。

種類も豊富です。私もだいたいの本は購入し、目を通しています。

以前に比べて本当に幅広く『学び合い』のことがわかるようになったので、実践するにあたって、困ることはないと思います。

 

しかし、「あ、このことどの本にのっていたたかな」と思うこともあります。

『学び合い』の「攻略本」は増えた分、攻略情報が色々な本に散らばっているので、見つけ出すの大変になりました。提唱者の西川先生は「本に書いてます」とよく言われますが、「どの本だ?」と思うことがあります。

※西川先生はどこにそれを書いているか把握しているので、「これ」と教えてくれそうですが、それくらいのことで質問をしたくもないので、自分で探すようにしています。

 

また、『学び合い』をはじめる時にどんな本を読めばいいかと質問されることも増えました。

私は「ステップアップ」をボロボロになるまで読んだので、それを勧めたいのですし、はじめのうちはそれで十分かと思いますが、ステップアップの薄い部分もわかるので、あと3冊足して、計4冊を進めるようにしています。そしてその4冊の中のどこの本にどんなことが書いているのか、「さくいん」らしいものも作りました。

 

最近では、「黄本」と呼ばれる、川西先生が書いた「まいにち『学び合い』」という本が出て、かなり売れているそうですが、この本は本当にすごいと思います。なぜなら、いちいちいろんな本を見なくてもこの一冊を読みながら、『学び合い』を進めていけば、困ることがほとんどないからです。

 

ドラクエをしている時にもありとあらゆることが書いてある「完全攻略本」というものがありましたが、それに近いと思います。

しかし、何だかんだいって、どんなに攻略本を読んだとしても、プレイするのは自分自身です。

時折出てくるボスに勝つためには、攻略情報を頼りにはできるけど、自分の頭で考えて倒さないといけません。

あたり前といえば、当たり前なのですが、『学び合い』も「攻略本」を読んで実践するときには、自分で考えないといけません。

 

ただ、ドラクエと大きく違うのが「失敗できないこと」ではないかと思います。

ドラクエでは、行き当たりばったりでボスに挑んで、負けてしまってもコンティニューが聞きますが、

『学び合い』ではそうもいきません。一度失敗して、子どもや保護者や周りの同僚から嫌われてしまったら

コンティニューなんてできません。

 

だからこそ、『学び合い』は攻略本を読み、書いている通りに進めて行く必要があると思います。

ドラクエの攻略本を読んで、その通りに進めて何が楽しいの?」

と言われたことがあります。たしかにその通りです。

でも『学び合い』ではそれでいいんです。確実に確実に、進めていく。

それが私が過去実践して大きな失敗をしなかった理由だと思います。