映画「君の名は。」を観てきました。
美しい風景、音楽とストーリーに
最初から最後まで引き込まれて、時を忘れてしまいました。
青春映画とか、恋愛映画とか、入れ替わりものとか
もうこの歳になってわざわざ観るのもかなーっと思いましたが、
全然そんなことはなかったです。
この歳だからこそ感じることがたくさんありました。
さすがに、職場や子どもたちに語ったりすることはないでしょうけど、
このブログでは好きに書こうかなと思います。
個人的なことを書くので、読まれる方は、画像の下へ
ストーリーは割愛しますが、
何が心惹かれたかというと、自分の人生の中で感動した出来事を思い出させてくれたということです。この作品の作者である新海さんの代名詞だそうなんですが、とにかく風景が美しい。都会の風景も、地方の風景もどこか哀愁があります。
私自身の人生でそう多くありませんが、心に残る場面にはなぜか風景が浮かびます。
残念ながら忘れていました。この映画を観るまでは。
この作品には彗星が出てきます。とにかく美しい。
それを見ていると、学生時代、星空を眺めながら将来のことを考えていたことを思い出しました。
すぐに教員になるのではなく、少し道を外して、勉強しようと思っていたものの、
その道が断たれ、途方にくれていたときのことです。その時、電話で話していた友人に「あなたが教師になったら面白いじゃん。教師の世界でとっても活躍したらいい。私も頑張るから」と言われました。
おそらく彼女は何となくその言葉を言ったと思います。
シンプルな言葉でしたが、「教師になろう」と決意した出来事でした。
電話を切った後、しばらくそのまま星空を眺めていました。
本当に美しい星空の日でした。
それから、卒業が延期になったり、北海道ではなく九州に帰ってきたり、
その時には想像もつかないことばかりでしたが、私はこうして地元で教師をしています。ちなみにその時私に言葉をかけてくれた友人はミュージシャンとして世界中で活躍しています。
失恋して、線路際を猛スピードで自転車をこいだ時、
地元の海岸で夕日を眺めていたら、地元の高校生と一緒に語らうことになったとき
北海道一周旅行で、釧路湿原に登ったとき
恋人と一緒に観た花火
「きっとできる」と何度も繰り返し自分に語ったあの帰り道
寮のテラスから眺めた夕日
学校の教師になってからの方が、もしかしたら
そういう機会がなくなっていたかもしれません。
仕事に頭がいっぱいでそれどころじゃなかったんですねいい意味で充実しているけど、残念な意味でそんな余裕もなかったのかもしれません。
小説『君の名は。』のあとがきに新海さんは、
「未だ出逢えぬ何かに、いつか絶対出逢うはずだと信じて手を伸ばし続けている人。そういう想いは、映画の華やかさとは別の切実さで語られる必要があると感じているから、」とあります。
また、 プロデューサーの川村さんは、「ひとは大切なことを忘れていく。けれども、そこに抗おうともがくことで生を獲得するのだ」とあります。
自分の人生の中で、そんな瞬間があったなと
思い出させてくれた『君の名は。』に感謝したいです。