コントロール
1年生の担任として何をすればいいか、勉強するために、いろいろな教育書を読みました。すると多くの本に、1年生の子どもたちにはじめに話すことが書いてあります。
このような感じです。
「はじめは先生のお話が聞けるように指導しましょう。1年生の子どもたちはほめられるのが好きです。『上手な姿勢ですね』『賢い一年生』『スーパー一年生』などとほめて、話を聞けるようにしましょう」
以前までの私なら「ああなるほど」と思い、同じように実践していたでしょう。
しかし、今の私はこのような言葉かけに疑問を感じます。
なぜなら、これは子どもをコントロールしすぎだからです。
「ほめる」と書いてありますが、これは教師の都合のいいように、子どもを仕向けているにすぎません。
おそらく、6年生にこんなことは通じないでしょう。
昨年のクラスの子ならこう言います
「先生の見え透いたおだて言葉、気持ち悪い」
中学生以上ならよりそう感じるでしょう。
1年生はそのあたりがまだわからないから…
果たしてそれでいいのか。
私たち教師は1年生であろうと、6年生であろうと、大人であろうと、
「話を聞いてもらう」ことに対して、同様にかかわるべきではないかと思います。
「ほめて」きかせるようにする小手先のテクニックは、学年があがるにつれ通用しなくなります。高学年になったら、「話が聞けない子」になるでしょう。中学生くらいになったら、あえて話をきかないで、じっと座っているという術を学ぶかもしれません。
私は一年生であっても「話を聞いてくれてありがとう」という想いはもっておきたいし、どうしても話を聞いてもらわなければならない場合は「聞いてもらえませんか」
とお願いすると思います。
そもそも、聞き手というのは、「自分に必要だから」聞くのであって、
必要のないことを聞かせるのは「強制」であり、ほめることによってそれをさせているのは「コントロール」だと思います。
まあ、教師の世界では「当たり前」とされていることが、
もしかしたら「おかしいんじゃないの?」と見直す必要があるかもしれません。