仮説② 得点向上期
全員達成を目指していて、それがうまくいくと子どもたちから「やったー!」と拍手が起こることがあります。これが指標というわけではありませんが、子どもたちが全員達成のために頑張り、喜ぶようになれば、もう子どもたちの集団は「全員達成を目指す集団」になっていると考えられます。
しかし、これは長くは続きません。
・課題を達成したことに見せかける子
・課題を達成した気になっていて、実は分かっていない子
・いつも最後に残ってしまうことに落ち込んでしまう子
・自分の課題が終わり、教える子がいなくなった時に遊んだり、暇をしている子
こういう子たちが現れはじめます。
そこで、次は「得点向上期」にうつる必要があります。
『学び合い』の最初の語りの時に「本当に分かる授業」と説明します。
「本当に分かる」というのは、自分自身が「分かった」と思えること、「分かった」ことに納得できること、周りが納得できること、と色々あると思いますが、一番シンプルかつ必要性が求められることが「テストの点数があがる」ことです。
保護者の方は何だかんだ「テストの点数」で判断する面が多いです。
「『学び合い』って楽しいんだよ」といくら子どもが言ってもテストの点数が低ければ
「遊んでいるだけじゃないの」「ちゃんと勉強しているの?」「先生教えなくていいの?」という疑問がわいてくるでしょう。
子どもたちのテストの点数をあげることは、子どもたちの集団がよりシビアに「本当に分かる」集団になることですし、『学び合い』が保護者に納得してもらえる授業につながります。
このように、全員達成を第一目標にしていた時期から、全員達成の中でテストの点数もあげていくことを目指すのが「得点向上期」です。