おに先生のブログ (noteに引っ越しました)

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覚悟、そののち。

今日は、覚悟を持って1日を過ごすことにしました。

朝、子どもたちに宣言しました。

「先生は、注意するときも、話す時も、教える時も ニコニコして言います」

最初、子どもたちは「は?」という感じでした。

「なんでそんなことするの?」「どういうこと?」

そんな返事がかえってきます。

 

いきなり宣言して、ニコニコし出すなんて、自分勝手な先生ですね(笑)

最初は、私がニコニコすることに「ふざけているんだ」と感じた子もいたようです。

悪ノリをしていいみたいな雰囲気になりました。

だから笑いながら「ふざけているんじゃないよ。ちがうのは表情だけであとはいつも通りだよ」と言うと、

ちょっとわかってくれたようでした。それもニコニコしながら言いました。

 

内心はもう嵐のような気持ちです。

もう今までの自分と違うわけですから。淡々とあんまり気持ちを見せない私が急に表情ゆたかになったわけです。自分自身もこのまま持つのか少し不安になりましたが、ニコニコしているうちに、使う言葉も選ぶようになってきていることに気づきました。どうやらニコニコしていると、自分の気持ちに変化も出てきたようです。

 

午前中の授業のうち、2時間は一斉授業でしたが、子どもたちはよく手を挙げて発言しようとしていました。

間違えようが、声小さかかろうが、全然関係のないことを言おうが、私はニコニコしています。

いつもだったら無表情で指摘してたと思います。ピリッとした雰囲気が教室にありました。もちろん子どもたちは手をあげる事は少ないので、私がよく当てていました。まあ、それでいいと思っていました。

でも今日はニコニコしながら、同じことを言っています。子どもたちの受け取る印象は全然違ったのでしょう。

みんな活発でした。

 

ふと昨年のことを思い出してました。いつもニコニコしている隣のクラスの先生。

憧れでした。子どもたちもとてもイキイキしているようでした。

そんな先生に対して「自分はあんな風にできない」「このクラスではできない」という言い訳をしていました。

本当は変わりたい、という気持ちはあったんです。笑顔を作る意識は何度もしていました。

しかし、どうしてもそれができなかった。

子どもたちの予測不可能な行動に心がざわつき、表情が硬くなる。

そんな葛藤の日々がありました。

その頃から願ってはいたんです。でもいつのまにか「ニコニコできない自分でいい」なんて気持ちになっていたんでしょうね。最近ではそんな葛藤すら忘れていました。

 

昨年だけではありません。

私はずっとその悩みを抱えていました。何度も子どもたちにも言われていたんです。「先生、顔がこわいよ」って。余裕がなかったというのもあると思います。だから余裕を生み出すことに努力することもしました。

なるべく本気度を出さず、傷つかないようにしていれば、表情が硬くならないこともありました。

そうやって自分を守ろうとしたり、変われない自分に言い訳をしていたんだと思います。

そして今日の今日まで、表情の硬い、ぱっと見怖い先生でした。

 

そして、語ることも、前向きな気持ちになるよりも、どちらかというとお説教に近い語りをしていたと思います。足りてない点ばかりを指摘していることが多かったと思います。子どもたちのこと信じるとかいっておきながら、信じていないような言動ばかりしている自分が矛盾していることに気づきながらも、変えられずにいました。だから、保護者のお便りには「ちがうんですよ、僕はこう思っているんです」なんて言い訳がましいことばかり書いていたと思います。「先生、こんなこと書いているけど、実際教室では◯◯だよ」と言われてしまえば、否定のしようのない状態だったと思います。

 

全然ダメ。そんな自分のことをわかっておきながら、なかなか変われずにいました。

『学び合い』を実践している先生たちの話を聴きながら、自分に足りないのは何なのか十分わかっておきながら、自分のことを棚にあげて、人に偉そうなことを言っていました。いや、人に伝えていたら自分も変われるのではないか、という思いもあったと思います。

 

しかし、結局変われなかった。

でも今日は変われました。冒頭にも書いたような強引に変えたので、子どもたちにとっては違和感でしかないでしょう。しかし、だんだん、語っていることは同じなんだということはわかってきてくれたようです。今日の体育の時にはこんな語りをしました。

「先生はみんなが4段をとべることを目標にしたいと思います。3段もとべない人もいるから難しいかもしれません。だからこそ、みんなでそれを達成できた時は、このクラスはもっといいクラスになると思います。先生もできることを努力します。でも先生が教えられるのは多くても2、3人。一人ひとりに教えるのは無理です。だからみんなの力を貸してください。もう一度言いますが、先生は全員ができるようになってほしい。このクラスのみんながやった跳べた!って言えてほしい。それだけは願っています。よっしやるぞ!」という感じです。

 

ニコニコしていたら、こんな語りがスルスルとできました。多分今までだったらできなかったと思います。

「4段全員達成をしろ!」と半ば脅迫に近い形で話をし、達成できるようにあれこれ手をうっていたと思います。しかし、今回は違います。どんなにできない子がいようともニコニコしながら「きっとできる」という覚悟ができているからです。達成できなかった時のことを考える必要がありません。だってできなかった時は、「いやー頑張ったのにできんやったか、残念!でも他の課題を全員達成できるように頑張ろうぜ」と言えそうだから。

 

 

さて、今日私がしたことは「ニコニコ」した。だけです。

なんて、シンプル。なんて当たり前のこと。

はいそうなんです。『学び合い』云々よりも、そもそも教師としてどうなの、というレベルのことです。

しかし、私には最も必要なことでした。それをやっとかえようとする覚悟が湧いた。

それだけです。そしてこれからは、私少し変われる気がします。

今日は勢いを無理やり出したけど、これからは自然にできるようになりたい。

いや、できると思います。だってもう一歩は踏み出したから。

そこまでの、道のり、長かったね。