⑦YOUはどうやって・何のために実行委員長へ
【最終話 YOUはなんのために実行委員長へ】
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フォーラムの内容について感じたことは、参加された方それぞれだと思いますので、私が書くのは控えたいと思います。
フォーラム終了後、会場に残っている人たちが、色んな人と話し、余韻に浸っていました。もちろん、参加した方すべてがそうだったというわけではないでしょうけど、おそらくいろんな出会いとつながりとストーリーがそこに溢れているんだろうな、と思いました。
私個人的なことでいえば、昨年同学年を組んでいた先生、元同じ職場仲間、同級生、このフォーラムに至るまでにお世話になった方々、県外で出会った方々、そういう方々と話をすることができて、すごく嬉しい時間でした。改めて、「実行委員長を終えるまでの道のりは、人とのつながりのストーリーだったんだろうな」と感じました。「多様な教育関係者とのシンポジウム」は私が今までに出会った方々に登壇していただいたことからも、つながりがあったからこそだと思います。
フォーラム後、片付けを終えた実行委員で集合して、一人ひとり感想を話しました。みなさん、それぞれの想いを語りました。涙ぐむ方もいました。初めて聞いた話や初めて知った気持ち、そういえばそんなこともあったなあという話・・・みんなそれぞれのストーリーがあって、今に至ったんだよなあ、と改めて思いました。この1時間ばかりの反省会に至るまでが、自分たちの何よりの宝なんだろうな、と思いました。
このような人とのつながりが私を実行委員長にした、と思います。5年前からの営みがすべてつながっていると思います。私は「実行委員長になりたい」と思って『学び合い』を続けてきたわけでも、フォーラムを誘致してきたわけでもありません。人とのつながりが、私を実行委員長にしました。「YOUはどうやって実行委員長へ」の答えはこの5年間ストーリーだと思います。
さて、あといくつかの問いが残っています。
「YOUは何のために実行委員長に?」
実行委員長としての答えは簡単です。「このフォーラムを通して教育をよりよくするため」です。もちろん、『学び合い』のフォーラムですから『学び合い』の広がりとか、『学び合い』のよりよい方向に、などを考えていたところですが、もっと大きい枠組みで考えた方がいいと思います。教育は『学び合い』だけではない。いろんな考え、実践方法があっていいと思いますが、「教育をよりよくしたい」はみんな同じ目標なのではないか、と思います。私は実行委員長として「一人一人力は小さいけれど、集まれば大きな力になる。それが私の勇気と希望です」と話しました。300名近くの方が集まるからこそ、これを伝えることが大きな目的だった私考えています。
しかし、今回のフォーラムの最後に、私は実行委員長でありながら、「オオニシ」を出してしまいました。感情が理屈を上回ってしまいました。もう今更後悔してもしょうがないのですが、「申し訳ないけれど、ああなってしまいました」としか言いようがありません。さて、なぜ感情が理屈を上回り「オオニシ」を出してしまったのかおそらく、実行委員長としての役目を全うするにあたり、「自己実現」を果たしたからではないか、とおもっています。
わたしは、実行委員長を務めることで、
「自分はどう生きたいのか」「自分はどうしたいのか」
より考えるようになったと思います。
私は、小学生、中学生の頃から、何かが飛び抜けて得意なこともなく、何かがすごく不得意な子でもなかったと思います。いわゆるトップランナーでもなく、気になる子でもなかったと思います。だからこそかわかりませんが、そんなに注目されることはありませんでした。ほめられることも、叱られることも多くありません。ほめられるために努力したこともあったように思いますし、ちょっと悪いことをしたこともあったと思いますが、結局目立つ子というのは自分じゃないということには気づきつつも、そんな子でも「自分らしく生きたい」という想いがありました。
それから十数年。
「自分らしく生きたい」と願い行動したことは振り返ってみると多かったように思いますが、私が教師を目指したきっかけであったようにも思います。大学を卒業して、色々あってすべての肩書きを無くした時に、「自分らしく生きたい」と思い、こんな自分でも自分を生かせる仕事は「教師しかない」と思いました。
それは見事に的中して、教師になってからは、「自分らしく」いられる時間が増えたように思います。
とてもやりがいを感じていました。なってよかったと思いました。
一方で「先生の授業はわかりやすい」「先生のおかげで」という言葉に満足感得て、そ都合の悪いことに目を向けず、傲慢になっている自分もいました「勉強がわからない」ことを子どもや親のせいにしていました。いわゆる「気になる子」のことを「問題児」扱いしている自分がいました。
でも「そうではいけない」という想いはどこかにありました。
運良く『学び合い』に出会い、そういう自分をはっきりと自覚することになります。
そして、今まで人のせいにしていたことは、自分の未熟さゆえであることを痛感するようになりました。
「子どもたちによりよい教育を行うためには、自分が変わらないいけない」
おそらくこれが私を福岡の会に行かせ、県外にいかせ、学び続けようとした原動力だと思います。私自身が常に、子どもたちの前で一人の大人として試され、変わり続けなければいけないと思っていました。
でも、
「いや、まだ自分には足りない」
「こんな俺でも教師をしていいのか」
こんな否定的な言葉がいつも頭の中にありました。
「よりよい教育を行う」というゴールのない営みで、「ここまで来たからいい」というものでもありません。だから、私は自分を責めました。責め続けて、学びへのパワーにかえてきました。そして、責め続ける自分を認める方法の一つが、「一生懸命になっている」実感でした。言葉を変えれば「思いっきり何かに打ち込む」状態です。実行委員長という立場は私にとって「思いっきり打ち込む」ものでもありました。それは自分を自分で認めることでもありました。
このように、「YOUは何のために実行委員長に?」の答えは「自分らしくいるため」だと思います。
つまり、「なんのため」の答えは実行委員長としての務めとオオニシの自己実現という両面であったと思います。そしてそこに至るまでには、たくさんのつながりとストーリーがあった。というのが、今回のまとめです。
長い長いストーリーと、私の自己実現話はこれくらいで終わりです。
正直、こんな話は私の胸の中にしまっていればいいことではないか。
書きながら、そう思うことは何度もありました。
もちろん、このように振り替えりをすることは自分のためです。
しかし、私のストーリーは色々な人との出会いが絡み合ってできています。
なんかそれを私の胸の中にしまっておくのはもったいないというか、申し訳ないなとおもいました。偶然とは思えない多くの出会いとつながりに、感謝の意味もこめて書きました。
読んだ方にとって、何か心に残るものであったら幸いです。
超長文、読んでいただきありがとうございました。