音読を宿題に出す学校、先生も多いと思います。私の勤めていた学校では音読の宿題を出すことになっていることが多かったです。
教師になってしばらくは、音読の宿題を毎日出していました。「音読カード」なるものを使って、親に評価してもらってサインをもらう。というものでした。
低学年〜中学年を担任していると子どもたちは素直に読んできますし、「どんどん進めていいよ」と言うとやる気のある子はたくさんしてきます。決して悪い学習ではないので、親も止めることはしません。一方で音読を聞いてもらえない、面倒くさがる子がいることもいることがわかってきました。
確かに私も小学生の頃、読んでました。
でもいまだにはっきり覚えています。
「親はたいして聞いていない」
いつの日か音読の宿題がでなくなっことを機にやめてしまったように思います。音読ってそんなもんだったな、と忘れていました。
そこで、家でやってこない子については、学校でやっていい、というシステムにして、確実に家か学校で取り組ませるようにしました。音読の内容も国語の物語文や詩だけでなく、社会科や家庭科など、学校で学んだ内容をするようにもしました。でもやっぱり、子どもたちは意欲的に取り組むというより「やるものだからする」という形でした。そして、毎日家でやってこない子たちが朝バタバタと音読をしている日々でした。
あれこれ試行錯誤した結果、「暗唱すればいい」と考えるようになりました。「覚えること」が目標なら毎日取り組む必要性が増し、子どもたちは課題を出していた時より取り組むだろう、と思いました。
高学年の担任になって「暗誦」を目標に音読の宿題に取り組んでみると、子どもたちは自主的に音読の宿題に取り組むようになりました。しかしまだ課題がありました。それは何を音読するのか、子どもたちに任せていたため、取り組むことに差が出たのです。覚える子はどんどん覚える。でもしない子はしない。
そこで、一週間に一回、点検の時間を取るようにしました。これによって、日々の音読をいい加減にしていると、覚えられないので、やったかどうかがすぐにわかります。しかし、一人一人覚えている文が違うので、聞くのが大変でした。また、休み時間などにやる気のある子どもたちが「聞いてくれ」というので、それを聞くのがとても大変でした。
それから考えたのが、毎週1つ同じ課題を出し、それを毎日取り組み、週に一回点検する
でした。
この時使用したのが、「声に出して読みたい日本語」です。有名な本ですが、ブックオフなどで安価で手に入ります。これを使用してB5のプリントにして、厚紙に貼らせていきました。
写真にあるように、「覚えた」と「先生」の四角があります。これは私が一週間に一度点検する時にサインをします。
また、朝の会で必ず一回は音読するようにし、習慣化させました。それによって、宿題→朝練習→週一回点検のルーティーンができ、子どもたちは私が点検する日までに、1つの文を覚えてくることになります。毎日の朝の練習で覚える子もいれば、家で何度もする子もいるでしょう。また、その週に覚えれなくても、私は何も咎めないので、後からまとめて覚えてきたものを私に聞かせる子もいます。
取り組んだ文は
枕草子のような古典、
宮沢賢治のような現代の詩
早口言葉や春の七草、十二支など
有名な文や、覚えておいて損をしないような
言葉を選びました。
3ヶ月続けると、慣れてきます。
覚えるのが当たり前になってきます。
しかもだんだん積み重なってくる名文たちが
子どもたちの自信にもつながります。
今までの全部読んでみようかというと、
スラスラ声に出せて「おお〜」となります。
準備に無理がなく
簡単に始められて
ずっと続けられて
楽しく学べる
という一石三鳥くらいの実践です。
また、
二学期の途中からは、音読カードの裏に「家庭学習カード」を貼るようにして、カード一枚で毎日の宿題や課題の管理、音読の課題をまとめられるようにしました。
これについてはまた。