おに先生のブログ

小学校の先生のブログ 『学び合い』やってます

マーチングバンドのこれから

マーチングバンドってご存知でしょうか。

トランペットのような管楽器、スネアドラムのような打楽器の合奏を

動きながら行うものです。

 

f:id:f-manabiai:20191229211614p:plain

 

ただ演奏して動くだけでなく、「カラーガード」と呼ばれる役割の人たちが、

フラッグなどを振り、視覚効果を生み出します。

 

f:id:f-manabiai:20191229212115j:plain

youtubeより引用)

 

そして、演奏する曲目に対して、隊列、動き、ダンス、フラッグなどの演出を行うことで「テーマ性」持たせることが特徴です。「ショー」とも言えると思います。

 

 

多くの方があまりその存在を知らない「マーチングバンド」ですが、いくつかの学校や団体が取り組み、それを発表するコンテストが毎年行われています。私も高校時代に全国大会を目指してのめり込みました。だからこそ、マーチングバンドのよさ、価値をある程度わかっていると思いますし、今でも毎年行われる全国大会のネット中継を見ています。母校の活躍もずっと応援しています。

 

しかし、このマーチングバンドは今後衰退していくだろう、と私は考えています。

 

それは、金、時間、場所、人、の負担が大きいからです。多くの中学校や高校の部活動でも「吹奏楽部」があると思います。主に管楽器や打楽器を演奏します。「マーチングバンド」と呼ばれている団体も、「吹奏楽部」のところが多くあります。基本的に扱う楽器や演奏方法は一緒だからです。楽器を経験したことのある方は承知のことかと思いますが、楽器の購入、維持には結構お金がかかります。

そして、練習も短時間で済みません。

楽器の演奏練習だけでなく、マーチングバンドは動きの練習も必要です。

普通の吹奏楽部の練習よりも単純に考えても2倍必要です。実際に私が現役で活動していた時も、ものすごく長い練習時間を要しました。

(それが普通だったのであまり気にしてはいませんでしたが)

 

そして、場所。マーチングバンドは隊形を作るために30m X30mの場所が必要です。運動場の3分の1〜2分の1くらいは使います。体育館でもよいのですが、フラッグやライフルといった道具を投げるので落とした時に傷がつく場合があります。学校などでマーチングバンドだけが活動していたらよいのですが、その他の部活動、特に体育部が使っていることがほとんどでしょう。しかも音を出すのでかなりの騒音になります。近隣から苦情が来てもおかしくありません。つまり、学校内で練習するのは、難しいのです。

 

そして、人。

これは昨今の学校現場が「働き方改革」の名の下に、部活動の縮小を進めていることが挙げられます。ただ私はこれを「正しい流れ」と考えています。私立の学校は仕組みが違うようですが、公立の学校は、部活動自体が勤務時間外の活動であることがほとんどでしょう。しかも土日も活動がある。平日土日関係なく、一日中マーチングの活動に尽くせるような人でないと、指導者は務まらないと思います。もちろん、活動する人、学校でいえば生徒も同じです。部活動は本来課外活動であるのにもかかわらず、昼夜平日土日を問わずに活動をしていたら、本分が何かわからなくなります。それでもいいと思える人ならいいですけれど、私は当時そうとは言えませんでした。

 

毎日始発に乗って、学校に行き、夜遅くに帰ってくる。勉強する時間はないし、授業中は眠くてほとんど頭に入ってこない。そんな日々を送っていました。それでも私は、時間を見つけて勉強しつつ、「マーチングを頑張りたい」と踏ん張っていましたが、そんな簡単なものではなかったと思います。

 

 

これから先、時間外勤務でマーチングバンドに打ち込む指導者がどれだけいるでしょうか。そしてできたとしても、それはどんどん制限されていくでしょう。また、生徒も無理をして一つのことに打ち込むような時代ではなくなってきているはずです。

 

全国大会の放映の中で「働き方改革の流れで・・・」という内容の話がありましたが

かなり影響を受けているのだと思います。でも仕方のない流れです。今まで無理をして

行われてきた活動が、是正されてきているのですから。一度スクラップアンドビルドする時期にきているのではないかと思います。

 

しかし、「マーチングバンド」にずっと関わり、そのすばらしさをしっているからこそ衰退していくことはとても残念です。だからこそ、マーチングの素晴らしさを伝えよう、維持しようとしている人たちには敬意を表したいです。おかげで私はずっとマーチングバンドの演奏を聴くことができているのですから。

 


2019 大濠高校 マーチング 「UNBA∠ANCE」