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#79 オンラインと個別最適化

とある方が、これからの学校の在り方について述べていました。

 

・学力の高い子は、質の高い動画を観て学ぶなどして、勝手に学べばよくて、サポートが必要な子に対して、教師は力を注げばいい。

 

 

 

まあ、なんか現場経験がある、とのことですごく力説されていたのですが、本当に現場経験あるんですか?と思いたくなるような内容でがっかりしました。

 

いわゆる学力の高い子は、自分のペースでどんどん学び、低い子は先生がサポートとする、とまあおそらく一般的には分かりやすい話ですし、似たような話はよく聞くんですが、本当にそんなんでいいの?って思います。

 

たしかに学力の高い子はどんどん伸びるでしょう。今までつまらない授業を延々と聞かされていた子たちにとっては、またとないチャンスでしょう。でも「学力低い=先生のサポート」である必要ってないと思うし、だいたいそのサポートする子って何人なのかって。1人とか2人ならともかく5人いたらもうお手上げですよ。しかも一人ひとりと先生の相性がいいかもわからない。

 

だいたい、いわゆる学力の高い低いというモノサシだけで決められた子たちは、いったいその後、どのように社会に関わり、どんな人生を送るのでしょうか。なんらかの能力が劣っている人に対しては、「誰かがサポートすればいい」という発想で、「元」学力高い子たちはなるのではないか、と思います。

 

せめて小学校くらいは、いろんな子がいて、ごちゃごちゃしてて、いろんなモノサシがあった方がいい。大人になった時、「あ、クラスに勉強は苦手だけど、すごくダンスが得意な子いたな」「身体に不自由なところがあったけど、優しくて面白い子いたな」とか。

 

社会に出たときに「弱者」「かわいそう」とか思うんじゃなくて、「みんなで助け合おうぜ」が当たり前、の感覚を持っていてほしい。

 

自分にぴったりなオンライン授業をうけて、周りは関係なく自分のペースで学ぶ。クラスの中に勉強が苦手な子がいるけど、別に自分とは関係ない、先生が教えるから。なんて子が増えるための「個別最適化」だったら、僕は全然賛成しない。 

 

いろんな子がいるってこと。対話し、関わり合うってことが自分にもプラスになること。そういう感覚を身につける。それなら別にオンラインも一人一台のパソコンもいらない。

 

いわゆる「有識者」が声を大にしてのたまうことに、僕は影ながら意を唱えたい。