休校、学校再開、土曜授業、夏休み短縮・・・
1学期は学校にとって「激変」でした。
しかし、個人的な感想を言えば「授業は何も変わっていない」と思います。
教科書の内容を伝えることが最大の目標で、先生と一部の子どもがひたすらしゃべる授業。
いわゆる「従来型」「チョーク&トーク」の授業。
休校の分の遅れを取り戻すことと、感染対策のために、よりその傾向は強くなったでしょう。
テレワーク、オンライン学習、ICT活用
社会は大きな変化を余儀なくされたと思いますが、学校は(一部しか知りませんが)変わっていない。仕事を休んでいる時に、公園ママたちや妻のママ友から「学校はプリントだけ配って何もしない」という話を何度も聞きましたが、その苦情も学校が再開さえしたら止んだように思います。要は、学校は「子どもを安全に預かってもらえる場所」でしかなかったんだと思います。「オンライン授業」については、少しずつ需要が増えてきているように思いますが、「授業そのもの」については、需要は変わっていないと思います。むしろ「もっと詰め込んで」なのかもしれません。子どもたちの様子を見ているとそのように思います。
教育のICT活用は進んでいないわけではありません。教師一人一台のタブレット端末によって、今まで紙を使っていたものが、画像で見ることができるようになったと思います。しかし、「授業自体」は何も変わっていません。上の図でいったら、Aに当たる部分です。それ以上はありません。
『学び合い』を実践してきた私としては、この傾向に対してかなり残念な気持ちでいます。
『学び合い』のような子どもたち同士で関わる授業自体が、もうそれで「悪」
授業の中身はさておき、教科書の内容さえ進んでいたら「良」
これでは、勉強がわからない、勉強がつまらない子がまた増えるだけなのは、容易に想像つきます。
そんな中でも、「次の休校に備えて」「オンライン学習を備えて」「一人一台タブレットに備えて」そんなことを考えながら授業づくりを行なってきました「もうこれしか、授業を変えるチャンスは残っていないな」という思いからです。国が進めようとしているGIGA(Global and Innovation Gateway for All)スクール構想、以前から気にはしていましたが、くわしく情報を集める必要があるな、と思いました。
まず、知り合いに紹介してもらったサイトがこれです。
GIGAスクール構想が、どのような目的、背景で行われ、どのように実現していくのか
資料を使って丁寧に説明されています。
「GIGAスクール構想の実現」とは ~学校情報化の目的と概略~
私が、一番このGIGAスクール構想で共感できるのが
「子どもの学びの充実」です。
『学び合い』を数年実践していて、わかったことの一つが、「子どもの能力も学び方もバラバラ」ということです。だから、教師主導の「従来型」の授業は「子どもたち全員の」学びを保証することなんてできない、そう考えています。(『学び合い』だって難しい。でも「マシ」)今でも従来型の授業で「子どもたち全員」を追求している面が学校現場に大いにあると思いますが、私はそれにたいして、内心「NO」といつも思っています。
しかし、自分がそのように考えられるようになったのも、数年間『学び合い』を実践したこと、子どもたちが「先生の進める授業わからない」と教えてくれたからこそ分かったので、今までどおりに「従来型」の授業をしている方にとっては「子どもたち全員」の授業を追求していることが、その授業を続ける理由になっていると思います。
動画の最後の方で、文科省の方が「勉強が分からない子はついていけず、勉強の分かる子はずっと退屈」と「従来型」の授業の課題を指摘しています。わたしは、GIGAスクール構想がそれを変えるきっかけになる希望だと思っています。目標さえ達せれば、『学び合い』じゃなくても、いいんです。
②へつづく