正直なところ・・・ができればいい
『学び合い』ができるんだったら、パソコンはクラスに10台くらいあればいい。
正直なところ、そんな気持ちです。
使える時に、使えばいい。あとは、オンライン授業にも対応できるように準備をして、家庭にネット環境がない子のための、LTE端末があればいい。
一人一台端末の活用を推進してきたわけど、いちばん恐れていたことが、やっぱり起こった。
子どもたちが、端末にかじりついて、周りが見えていない。
全員達成、一人も見捨てないが言えればいい。
でも、関わりはできるだけ避けなければいけない。
だから結局「個」の学習になってしまう。周りを見る必要がなくなる。
本当にそれを目指してきたのか、そんなことはない。
端末が導入されて、子どもたちの能力の差は顕著になり、学びは個別化せざるをえない、と考えていた。一斉、一律から脱却できる、と思っていた。それは、その通りになったと思う。その一方で、個別化しすぎて、孤立化してきているように思う。本当に困っていることに気づけないし、困っていてもヘルプを出しにくい。
これじゃない、これじゃないんだ。
やっぱり、僕は『学び合い』がいい。『学び合い』しかない。
一人一台端末でできることも増えたけど、大事なものがなくなっていくように思う。
「先生、〇〇さんができるようになったよ」「先生、今日は○○さんのおかげで分かったよ」
そんな声が聞こえてくるのは、パソコンにかじりついている時間の分だけ、たくさん「対話」してきたからだ。
正直なところ『学び合い』ができればいい。でも、今はできない。だから、今できることをする。ただ、いつか、このことを伝えなければ、「推進していること」に浮かれて大事な何かを見失っていまいそうな気がする。