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ICT活用推進リーダーの「暴言」

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ICT活用なんて、本当はどうでもいいんですよ

 

昨日の『学び合い』オンラインフォーラムで私が言った一言です。

「GIGAスクール構想、一人一台端末を活かすには」というテーマの分科会だったのに、

こんなことを言うのは、ぶっ飛んでいる、というか暴言だったと思います。

ただ、そこにはちゃんと意味がありました。

なので、補足したいと思います。

 

まず、私はICT活用を推進を「真」の目標にしていないというのは本当です。

じゃあ、なにを目指しているのかというと、

 

教育を、学校現場をよりよくしたい。

 

です。なんかでかいことを言っているようですが、ここはブレたくない。

そして、この目標に近づくために、「ICT活用推進が一番いい」と思っているので、

ICT活用推進をやっています。ですから、あのような言い方をしました。

 

じゃあなんで、「どうでもいい」と思っているのか。

それは、

「ICTの前に考えるべきことがあるでしょ」

「ICTがなくても子どもたちの学力や人間関係は向上する」

と考えているからです。

本音を言えば僕は、今までどおり『学び合い』ができたらいいんです。

 

ただ、できていません。全く。『学び合い』は考え方だから、今の状況でもできることはある、と考えることもできますが、できていません。なぜなら関わりを制限されているから。

仕方ないんですけどね。だから私は今年度『学び合い』を実践しているとは思っていません。

 

もちろん、ICTが「あったほうがいい」のは間違いないです。学習の幅は一気に広がるし、できることも間違いなく増えます。また、これからの社会、PCが使えて当たり前でしょう。いや、それすらも超える世の中になるかもしれません。だから、端末を使って学習をしたり、学校生活を送ることは別に否定はしません。

 

ただ、僕は「ICT活用したら子どもの学力が上がりました」「ICT活用してこんな授業できるようになりました」というキラキラした部分に隠れた「影」にちゃんと目をやらないといけないんじゃないの、っていつも思っています。

 

あまり詳しくは書けませんが、僕は学校の教師の仕事を続けてきて、いろんな子に出会いました。本当に勉強に対して苦手意識を持っている子や対人関係に困難んを抱えている子、特性のある子や家庭の環境の厳しい子・・・。もちろん、僕の勤務する学校以外の学校でも様々な状況があるでしょう。公立の学校にはいろんな子がいます。

 

そういう子たちに目を向けず、ICTに囚われないか、というのが僕の懸念事項です。

 

 

 少し話は変わりますが、僕の『学び合い』のスタートは、「教師一人じゃ無理だ」と思ったこと。そして僕が『学び合い』を確信したのは「『学び合い』の方が子どもは成長する」と知ったことです。

 

子どもたちが「教えて」「わかった」「できた」という表情。

「おい、今日も頑張ろうぜ」という励まし。

「何が分からないの?」という優しい声かけ。

 

私は『学び合い』を通じてそんな子どもたちの姿をたくさん見てきました。

そして、『学び合い』の会でたくさん共有してきました。

 

このような姿が見られたのは、「一人も見捨てない」という願いのもと、

課題の全員達成を目指し、切磋琢磨してきたからです。

「自分で考えて、自分で決めて、自分で行動する」そのような目標を持った教育活動を行なってきたからです。

教室で起きるトラブルを真剣に話し合い、子どもたち自身で解決してきたらです。

 

さて、ICTが入ってきて、一人一台端末が入ってきて、そのようなことができるのでしょうか。ICTを活用することに目を奪われ、学校だからこそ学ぶべきこと、「すべての子どもを大切にすること」がぼやけるのではないでしょうか。

 

『学び合い』×ICTとかいう言葉を見聞きしますが、私にはそれが何かわかりません。

ICTで『学び合い』なんて、私にはできません。私の『学び合い』は上に書いたように、目の前に端末がない方がいいんです。わざわざICTを活用する必要なんてありません。

 

今年度、私は『学び合い』を封じられました。仕方ありません。なぜなら「関わり」ができないからです。「接触の少ない関わり」「ICTを活用した関わり」もチャレンジしましたが、ダメでした。人は結局、目の前で笑顔で、「がんばろうぜ」という言葉に動かされるんだと私は思います。(だって、オンライン飲み会より、結局みんな「会って」飲みますよね。)

 

だから私は、このようなタイトルでお話をさせてもらいました。

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このような気持ちで私はICT活用を推進しています。

やりたくないわけではありません。今の時代に必要なこと、学びや学校という在り方が変わっていくのですから、希望がたくさんあります。「こんなこともできるんだ」がたくさん詰まっています。

 

昨日対談させて頂いた方の話を聞きながら、本当にそれを感じました。テクノロジーが、私たちの生活をよりよくし、私の目標である教育を、学校よりよくすることにつながる、と思います。

 

一人一台端末がきて、学校現場は大きくかわろうとしています。私の体感ですが変わったこと、できるようになったこと。

 

・インターネットにアクセスすることが容易になり、学びの幅が一気に広がった

・今まで行うことができなかった交流活動や情報共有ができるようになった

・スライドづくりやプログラミングなどこれからの社会に必要なスキルを身につけることができるようになった。

・読み上げ機能や手書き、翻訳機能を使って、今まで教師一人では十分にサポートできなかった面に対しても、サポートすることができるようになった

・子どもに任せる時間が増え、教師の在り方を考えるようになった。

 

というわけで、私はこれからもICT活用推進を行いながら、「ICT活用推進の前に忘れちゃいけんことあるよね」といいたいのです。(ああ、そういうことだ。なんでそう言わなかったんだ)ああー、やっぱり暴言じゃなくて、失言でした。申し訳ありません。

 

 

最後に、対談したお二人

 

本当にすごい!

 

珍しく、めっちゃ緊張しましたよ。本当に。

頭めっちゃ回転しました。ああ、いったいどんな質問がくるんだろう・・・

ああ、どれだけ端的に話せばいいんだろう・・・

そんなことをぐるぐる考えていたら、熱くなって「暴言」をはきました。

つまり、私には言語化する能力がまだまだ足りていないんですね。

お二人の素晴らしさに、出会いに感謝です。