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『学び合い』の難しさ。新任教員の難しさ。

昨日は、『学び合い』全国フォーラムオンライン2021に参加しました。

 

manabiaiforum.peatix.com

 私はその分科会の一つに参加しました。

 

『学び合い』名作劇場~サンダVSガイラ(1966)

 

タイトルはふざけていますが、内容は私が以前から話を聞いてみたかった長野県の先生と

対談するって内容です。2時間という時間でしたが、一つ分かったことは

 

 

『学び合い』を語るのに、2時間じゃ足りねえ

 

です。会の中でも冗談で言ったけど、おそらく自分が考えている『学び合い』のことを語るには、プラス3時間あっても足りないかも。課題、語り、見取り、周りとの関係、保護者・・・

ありとあらゆることが、僕にとっての『学び合い』の実践だし、全部必要なことです。「『学び合い』とは」なんて語れるわけない。

 

そしてさらに昨日話題になったのは「新任教員が『学び合い』を実践することができるのか」という話題。これには私も「おおお」と思いました。なにせ私にはない経験だから。

 

私は、小学校の教員になって3年間は「普通の」実践を行なっていました。

そして教員4年目になって『学び合い』に出会い、そこから7年間実践を積みました。

つまり私は「ひととおり」教員の仕事ができるようになってから、『学び合い』を実践していたので、「『学び合い』がなくても、なんとかなる」教員だったのです。

 

しかし、昨日の話では「『学び合い』を実践しよう」と意気込んで教員の世界に入ったものの、うまくいかなかった、ということでした。確かに、教員の仕事は『学び合い』の本に書いていないことばかりです。書き出したら、無数に出てくると思います。私は小学校教員3年間で、教員としてのスキルをある程度身につけていったと思いますが、どんなことを身につけたかは、正直今では意識していない部分があります。もう当たり前になっているからです。

 

 

例えば、子どもたちに話をするときに、子どもたちが注目した状態、落ち着いた状態で、話をはじめます。(あえて逆にすることもあります)これは今となっては当たり前のことですが、これをしなければ、『学び合い』の語りもできないし、教師にとって重要な「指示」も通りません。

 

子どもに話をする時のスキルを私は、この本で学びました。

 

新版 授業の腕を上げる法則 (学芸みらい教育新書 1)
 

 

この本に書いていることは、教員の仕事においてとても汎用性の高いものが凝縮されています。私はこの本を教員一年目に読んだので、毎日の実践で意識することができました。

上にのべた子どもに話す方法は「第四条 全員の原則」にのっています。

 

もしかしたら、これから教員を目指す方にとって、この本の内容は「古い」「管理型」とおもうかもしれませんが、昨日の話を聞いていて、つくづく「教師の技量」は必要だな、と思いました。

 

昨日の話を聞きながら「『学び合い』の本には教師の仕事の具体的な方法がのっていない」という話を聞き、確かにそうだ、と思いました。

 

 

クラスがうまくいく! 『学び合い』ステップアップ

クラスがうまくいく! 『学び合い』ステップアップ

  • 作者:西川 純
  • 発売日: 2012/07/19
  • メディア: 単行本
 

 

この本、『学び合い』のベテランに言わせれば、「具体的すぎる」とのことですが、

私にとって、この本が『学び合い』との出会いであり、この本をもとに、『学び合い』を実践していった、はじめの本です。確かに、この本具体的な『学び合い』実践「スキル」がのっていますが、正直これだけでは足りない部分がたくさんあります。

 

「教員としての仕事」の部分

『学び合い』を実践しながら見つけていくしかない部分

 

前者は、上にのべたように、無数にあるのでここで紹介をするのは避けますが、私がとてもお世話になったシリーズ本がこちら。

 

 この本、「教師の仕事」が本当に細かく紹介されています。新しく担任になった時は、毎回購入して、読みました。有名な「教育技術」もよいですが、こちらの方が、細分化されいているので、読みやすいのかなと思います。

 

もちろん、これだけでは絶対足りないです。間違いなく。

じゃあどうするか「先輩に聞く」しかないですね。

新任1年目を生き抜く 教師のサバイバル術、教えます

新任1年目を生き抜く 教師のサバイバル術、教えます

  • 作者:西川純
  • 発売日: 2019/02/27
  • メディア: Kindle版
 

 この本には「先輩に教えてもらうノウハウ」が書かれています。無数にある教員の仕事を覚えていくには、「人から学ぶ」のが一番です。

 

 

さて、『学び合い』の本にものっていない具体的な部分については、正直本を読んだだけじゃ、わかりません。なぜなら、本にのせられないからです。同じとはいえない子どもがいて、保護者がいて、同僚がいる。多岐にわたる仕事がある。『学び合い』の本にのってることはその中の「エッセンス」であり、自分で答えを見つけていくほかありません。一つだけいい方法があるといえば、

 

『学び合い』の会にいく

 

これしかありません。私は『学び合い』がまだ広がっていない時期に『学び合い』をはじめたので、『学び合い』の会がなく、一人で実践するほかありませんでしたが、今では『学び合い』のコミュニティはいたるところにあります。そことつながり、「対話」を行うことが、

『学び合い』を実践する上で、地道ですが一番の近道です。

 

 

最後に

 

『学び合い』に関心を持ってくださる方、

これからはじめてみよう、と思う方とたくさん出会ってきましたが、

昨日の話を聞いて、そのような方々に「無責任」だったかなと思いました。

 

教師の仕事って本当に難しくて、やっぱり力不足だったらうまくいかないし、

若い先生は、そもそもそんな力があるわけないから、うまくいかない可能性が高い。

もちろん、何年か教師をやってきた人も、「たまたま」うまくいっていたように見えるだけであって、学校や担当するクラスがかわったらうまくいかないことだってあるし、ベテランの先生だってあり得ます。もちろん、僕にだってあります。

だいたい、「うまくいっている」なんてないんですからね。

 

 

そう考えていると、この文章を書かずにはいられませんでした。

少しでも多くの『学び合い』を志す若者に届きますように。

 

 

それと、対談してくださった、吉里さん、ありがとうございました。