恋は雨上がりのように
いい映画でした。
「恋愛モノ」となると誰かが犠牲になったりとか、裏切られたりとか、そういう展開が多かったり、やけにイケメンとかやけに可愛い子(逆もしかり)が出てきたりとか、
どうしても非現実的すぎて冷めてしまうから、ここ数年は見ないようにしていたけれど、この映画は観ることにしました。というのも、漫画がとてもいいから。
以下ネタバレがあるので、読んだことがない方は、気をつけてください。
青春物語とも違う、恋愛物語とも違う。
女子高生と45歳のオッサンが出会い、気持ちを通じ合わせることで、
それぞれの人生を再スタートさせる物語、って感じです。
ケガで走ることを諦めてしまった女子高生がまた走り出し、
人生に「書く」ことに諦めてしまったオッサンがまた書き出す。
どちらの立場に感情移入しても、前向きになれそうな物語です。
女子高生がオッサンに恋をするという、あり得ない展開ながらも
その「ありえなさ」をオッサンはちゃんと受け止め、調子に乗らないし、
何か特別なことをするわけではない。
高校生の女の子っぽい気持ちの揺れや振る舞いも、そんなに特別なくて、自然に受け止められる。「俺なんて」と諦めきっているオッサンのセリフも女子高生かける言葉もそんなに特別ではないんだけど、なんだかカッコいい。
どんな人だったって、周りから見ればカッコ悪くても、しっかり向き合えば「かっこいい」し「キラキラ」しているのかもしれない。
17歳という若さは、45歳のオッサンにとってはキラキラして、美しい。
でもそんな姿から、自分にもそんな時代があったなと振り返るさま、自分も一歩踏み出してみようか、と思うさまはどこか勇気づけられる部分があった。
今から恋をしてみようとか、忘れかけていたあの頃の想いとか
そんなことを思う必要もなく、勇気の出る作品だな、と思います。