【もうすぐ新年度】教師がやってはいけないこと②
【もうすぐ新年度】第2弾
前回は「懲戒免職」になるくらい「教師がやってはいけないこと」を書きました。
今回は「懲戒免職ほどではない」けれど「教師がやってはいけないこと」を書きます。
「やってはいけないことばっかりで学校の先生ってしんどいな」と思うかもしれませんが、
逆に言えば「やってはいけないこと以外はたいていやっていい」
ということです。言い方かえれば「ネガティブリストの作成」
ということです。今回は「やりがち」な「やってはいけないこと」を書きたいと思います。
1 体罰
2 児童生徒・保護者と一定以上の私的な関係になる
3 SNSで学校の情報を発信する
1 体罰
ダメです。やってはいけません。
学校教育法第十一条 校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない。
体罰とは何かについて文科省の資料では以下のようにまとめられています。
○ 身体に対する侵害を内容とするもの
○ 被罰者に肉体的苦痛を与えるようなもの
要するに大人による子どもの「有形力の行使」は「体罰」になりうるということです。「懲戒を加えることができる」という部分と混同して「懲戒」と思ってしたことが体罰だったり、自分自身をコントロールできなくて「つい」体罰をしてしまったりすることがいまだにあるようです。
前回と違って「体罰」で懲戒免職になる話はよほどのことでない限り、あまりありません。
何かしらの免職ほどではない処分で終わることが多いように思います。だからといって体罰をしていいというわけではありませんが、ちょっとレベルの違う話です。
さて「法律で決まっているから」という理屈は、大事ですけれど体罰自体をなくす上で万能ではない、と思っています。「体罰」をしてしまうのは、上に挙げたように「子どもは押さえつけてでも言うことを聞かせる」とか「悪いことをしたら厳しく指導していい」といった思い込みがあること、子どもの言動に怒って、手足が出てしまうことがあると思います。
正直言うと、僕自身にも言えることです。手を出したことはありませんが、感情的になって自分の言動をコントロールできなくなりそうな時は何度かありました。揚げ足をとってくる子どもに対して真正面から反応してしまうことはあります。
だからこそ、自分自身を冷静に分析して、どんな時に感情的になりやすいか、感情的になった時にどのように行動すればいいか考えるようにしています。
ひとまず、子どもに対して感情的になった時は
その対象に対して、離れるように言います。
自分自身が冷静になるまで待ちます。
2 児童生徒・保護者と一定以上の個人的な関係になる
「私的な関係」というのは、学校にいる間以外の時間に連絡をやりとりしたり、会ったりすることです。とはいえ年賀状のやりとりをしたり、家庭環境の相談を受けたりすることはあり得ますし「勤務時間外だから」といってキッパリ線引きできるものではありません。
だから「一定以上」としました。
「一定以上」というのは「学級にいる子ども(保護者)全員にできないこと」だと考えています。たとえば自宅に帰った後、保護者から電話相談を受けるとか、お金を貸してあげるとかです。
「そんなことするはずない」と思う方もいると思いますが、結構それに近いことをしているのを見たことはあります。「子どものために」という想いのあらわれなんでしょうが、僕はやりすぎだと思っています。頑張った分、保護者や子どもは「先生のおかげ」と言ってくれるでしょう。でもそれは麻薬のようなものです。持続可能ではない。
やりすぎはその後「あの先生はやってくれたのに」という不満に変わります。
また、家庭の問題に我々学校の教師は踏み込んではキリがないのです。
苦しいかもしれませんが、そこは一線を引かなければいけない。
教師は子どもに一生ついていくことはできない。
学校でできることをする。
学校生活を充実する。
学校で仲間をつくる。
そこに重点を置くべきだと僕は思います。
3 SNSで自由に情報を発信する
Twitterを見ていると驚くことが多いのですが「教員アカウント」が好き勝手に発信していることがあります。「表現の自由」は保証されてよいと思いますが、いくらなんでも節度がない、と思うことはしばしばあります。自分は好きに発信していても「教員」としての「品格」を落とさないでほしい。
私はTwitterのアカウントを実名で行っているわけではありませんが、実名で投稿しているのと同じと思って発信をしています。特に学校に関わる発信には気をつけています。学校に関わることで発信する基準は「職員室で話せるレベル」「学級懇談会で話せるレベル」としています。
ただ、自治体によって学校におけるあらゆる情報を発信しないよう決められているところもあります。それで処分されることもあるので、発信には十分気をつけたいものです。
また、私的な内容でも子どもや保護者に見られていることがあります。コロナの自粛期間中に、大勢で飲み会をしたとか発信すると、問題になるおそれがあります。本人は「プライベートなんだからいいじゃん」と思っているのかもしれませんが、プライベートだろうとなんだろうと、保護者や子どもからしたら「先生」であることは変わりありません。
SNSはしない方がいいと思うかもしれません。確かにそうです。しない方がいい(笑)ただ、SNSも使い方によっては有益な情報を得られることもあるので「ほどほどに」するのがいいと思います。「教師がやってはいけないこと①」で書いたように懲戒免職になることはないと思いますが、問題になってから周りと本人に与える影響はとてつもないと思います。
個人的には若い先生にこのようなことを新年度に伝えておくべきではないかと思っています。
最初にも書きましたが「やってはいけないこと以外はたいていやっていい」
のです。
1 体罰
2 児童生徒・保護者と一定以上の私的な関係になる
3 SNSで学校の情報を発信する
なぜダメなのか。どこからどこまでがダメなのか。
知っておくべきことだと思います。