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親が満足する「学級懇談会」とは

先日、新任の先生の学級懇談会に参加した。

自己紹介をした後、その場にいるだけ。

それでも新任の先生にとっては安心感につながったようだ。

 

懇談会は、準備していたスライドを使って進行。

原稿も学年で考えていたらしく、それを説明して無事終わった。

新任の先生、よく頑張ったと思う。

 

親の自己紹介の時間はあったものの、時間のほとんどは、担任の説明で終わった。

新任の先生に「予定どおり終える」以上の注文なんてする必要なんてないとは思うが、

参加しながら「単なる説明会だったな」と感じた。

 

親としては、担任の先生の「品定め」の意味もあっただろう。懇談会の中身より、担任の先生がどんな人なのかわかるだけで、

今回の参加はOKだったはず。でも、それは長くは続かない。親が参加したくなるような懇談会、親が参加してよかったと思える

「満足感」のある学級懇談会ができなければ、どんどん参加者は減っていく。イベントの集客と同じだ。

 

親たちが学級懇談会に求めるものは何だろうか。

おそらく一番は「子どもの学校の様子」だろう。しかも「我が子」のだ。

友達はいるのか、授業は聞いているのか、休み時間はどう過ごしているのか・・・学校で我が子がどのように過ごしているか知るすべは、子どもの話しかない。授業参観で学級の雰囲気や授業中の態度はわかるものの、友達関係までは分からないし、日頃のことはもちろん分からない。

 

もちろん、一人ひとりの子どもの様子を懇談会で伝えるのは時間が足りない。

写真を使うのも手だが、意外と様子が伝わらない。それならばどうするか。

 

 

映像

 

 

これが一番いい。

映像を見せながら、親に解説していく。学級の様子はもちろん、普段どのような教育活動を行っているか伝えることができる。

子どもたちがふざけている映像や、インタビュー映像もいい。一気に懇談会の雰囲気が明るくなる。

私は数年前から、学級懇談会の前半は動画を見せる時間を作っている。一度でも参加した保護者や、噂をききつけた保護者は

「あの担任は映像を見せてくれる」とわかっているので、それをめあてに参加する。

 

しかし、だ。

映像なんてものは、別に懇談会でないと見せられないわけではない。

動画のリンクをQRコードにして、学級通信にはればいい。

いまだに学級通信は、長ったらしい文章と見えにくい画像をつけて満足している教師が多いけれど、

PDFにして送ればいいんだし、映像だってつけることは技術的には可能だ。

 

ま、こんなことを言うと「できる人とできない人で差が出る」といった文句が出てくる。

初めて懇談会をする新任と、何度も経験している教員ではその時点で差が出ているのは明らかなのに、

そこについては触れられない。学校の文化というのはいつも矛盾ばかりだ。

 

話はそれたが、映像だけでは親が満足する懇談会であるとはいえない、と私は考える。

であれるならば、もう一度原点に立ち戻りたい。「懇談会」というのは「親同士、親と教師が話す場」のはずだ。

たくさんおしゃべりして、お互いのことを知って、仲良くなる。これがそもそもの目的であり、親が満足する懇談会なのではないかと思う。

 

コロナを機に懇談会がなくなる学校が多かったはずだ。

オンラインで行う学校もあったが、結局一方通行になってしまいがちだった。

その名残なのか、せっかく対面で行えるようになったんだから、もっと話す機会を持てばいいのに、と思う。

 

こんなことを新任の先生に言っても意味がないのはもちろんだが、新任の先生に懇談会を教えた先輩たちに問題がある。

「いったい何のために懇談会をするのか」という視点だ。

 

コロナによる制限がなくなった今、街を見渡してみたらわかる。

みな「おしゃべりをしたい」のだ。そんな当たり前すぎることに目をむけ、親が時間をさく価値のある内容を作っていかなければ

どんどん保護者と学校は離れていってしまう。

 

そのために私ができることは、職員室内に、校内研修にもっと会話をする機会を、授業にもっと対話をする機会をつくっていくことだ。