常識を疑え!30代後半の再チャレンジ
小学校の先生をしている方、国語の授業づくりって難しいですよね。そんな方々も、この本を読めば、モヤモヤが晴れるかもしれません。
今回は土居正博著『国語授業の「常識」を疑え!』を紹介します
学校文化の「常識」を疑え
この本のタイトル「常識」を疑え!ってインパクトのあるタイトルだと思いませんか。私はこのタイトルで買う気が3割増しになりました。タイトルってすごいですね。この本の第一章では、学校現場おける「常識」について説明があります。
例えば、漢字の指導。私の勤める学校でも、我が子が通う小学校でも、宿題で漢字ノートに1ページ書いて練習させています。さらに、私が教員になった頃からほとんど変わっていません。それがなんと全国いろんな場所でも同じような取り組みをしているとのこと。誰かが決めたわけでもないのに、多くの学校の「常識」になっている。
筆者の土居先生は、このような学校における「常識」をいくつか挙げ、それらをどのように理解し、何が問題点なのかを説明しています。その中でも大事になってくるのが「本当に子どもの学びにつながっているのか」ということ。
読みながら「確かにそうだ」や「それは気づいてなかった」が出てきます。この本で指摘されている「常識」を疑うことで、自身の実践や教育への考えを変えるきっかけになるのではないかと思います。一方、常識にとらわれている方々を非難をするつもりはありません。私自身も今まで多くの「常識」を疑わなかったし、今でも「常識」にとらわれていることがたくさんあると思うからです。
土居先生の素晴らしいところは、数々の先行研究を踏まえた説明をしていること。私のような素人教師が「なんかおかしい」「なんとなく違う」というのは単なる愚痴や文句でしかありませんが、土居先生はそれぞれの実践に敬意を持ちつつ、過去の研究を引用しながら、自身の主張を述べているところがすごいなと思います。
教員13年目、30代後半の再チャレンジ
一番好きな教科は何ですか?
と聞かれたら僕は「国語」と答えます。
なぜ好きなのかと言うと、一言でいえば
「知的で奥深くて楽しいから」と答えます。
もちろん、他教科を見下しているわけではありません。それぞれの教科にはそれぞれのよさがあることは重々承知しています。(だからこそ指導内容がどんどん増えているのでしょうが)
それ踏まえた上で、国語の教材研究や授業づくりはとても楽しいと感じます。文学教材、説明文、音読、作文、言葉の指導・・・初任の時から国語の授業を考える時間が一番楽しいものでした。自分なりに授業を試行錯誤して、子どもたちが「うーーーん」と考えている姿、子どもの意見に「そんな考え方もあるのか」という発見、自分の想像をこえる文章などが登場すると「国語の授業って面白いな」と思ってしまいます。
しかし、近頃は国語の授業づくりに力を注ぐことがなくなってきました。小学校の教師は、学級経営や生徒指導、保護者対応に労力を割くことが多く、授業は「そこそこ」であっても何とかなるからです。働き方改革の流れもあり、授業づくりに力を注ぐより、どうすれば早く仕事がさばけるかばかりを考えるようになっていました。
『国語授業の「常識」を疑え!』に出会い、今まで自分が経験してきた「常識」をあらためて疑い、国語の授業づくりをしてみたいと思えました。現在、指導職の立場で、一から学び直すのはもう遅いのかもしれませんが、教師13年目、30代後半という遅咲きながら国語授業の勉強をはじめたいなと思います。
まずは、土居先生が出している国語関連の本を読み漁りたいと思います。もう土居ファンですね(笑)ちなみにこの2冊は既読です。
おわりに
今回は土居正博著『国語授業の「常識」を疑え!』を紹介しました。小学校の先生をしている方、この本を読めば、国語の授業についてモヤモヤしていることが晴れるでしょう。ぜひ、一読してみてくださいね。
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