開成・灘の卒業生を読んで
「超」進学校 開成・灘の卒業生: その教育は仕事に活きるか (ちくま新書)
- 作者: 濱中淳子
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2016/03/07
- メディア: 新書
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昨日読んだ「チームの力」と違って、多くのデータをもとに述べられています。
それだけ説得力があるものの、軽く読みにくい…。
土日で読んだ2冊が対照的だったので、よい発見になりました。
さて、この本を読んで私が考えたことは以下の通りです。
「生徒の自主性」を重んじ、学校行事や学業に自主的、意欲的に参加する生徒たち。
部活動や読書、課外活動にも積極的に参加する生徒たちは、卒業後年収面でも立場面でもリーダーやクリエイティブな仕事に携わることになる傾向にある。それはやはり、「勉強ができる」というだけでなく、「学ぶ力」があるからだと考えられる。また、中高時代の仲間、友人はいつまでも変わらぬ存在であり、それが就職や転職、または昇進に大きな影響を与えている。いわゆる「ガリ勉」でコミュニケーション能力足りないとか、人間関係構築能力がないとかステレオタイプな言い方をされるが、在学時代に価値観の相違や、人間関係のトラブルを経験することで、それを社会に出てから生かしているという面も見られるようだ。
まとめると、これはすべて『学び合い』で行っていること、アクティブ・ラーニングで求められていることであり、灘や開成といった超進学校では、近いことをすでに行っているのではないかと考えた。
一点だけ気になったのは、「5%しかなじめなかった生徒がいなかった」という記述。どんなに超進学校が優れていたとしても、その5%を救えない学校、クラスではどこか闇があると感じた。
アクティブ・ラーニングをどれだけ広がりを見せ、
『学び合い』らしき学習が認知されだしても
「一人も見捨てない」という理念を持つかどうかは
大きな大きな違いがあると改めて感じた。