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『チームの力』を読んで

 

チームの力: 構造構成主義による”新”組織論 (ちくま新書)
 

 

岩瀬先生の書評を読んで、すぐに買いました。

以下、備忘録です。

 感謝を忘れようと思って忘れる人はいない。家族や健康がそうであるように、いつの間にか、それがあって当たり前になってしまう。だからこそ、日々、感謝を忘れないようにと心がける必要がある。


理想の状態は、お互いに感謝の気持ちを伝えることで肯定の循環が起こり、それをエネルギーにチーム駆動していいことだ。

何でもいいから意見を言ってくださいはNG。今の状況と目的を踏まえた上で、より良い代案を出してくださいとするとよい。

集団とは単なる人の集まりであるのに対して、組織とは何らかの目的を達成するための有機体なのである。 

目的を注意深く明文化する。

目的はすべての判断の起点となるため、末尾に至るまで注意深く明文化していく必要がある。

チームとは目的を達成するために作られたものであり、すべての価値判断は目的に応じてなされることから、目的を抜きにどのようなチームを編成希望戦略戦術が良いかを議論する事は原理上不可能だ。


この目的の明確化はチームの理念にもつながっている。それは目的の抽象度を上げてその本質を象徴的に言い当てたものであり、そのチームの目指すべき方向を端的に示したもの。


人間は何を言ったかよりも、何をしているかを見ている。理念が素晴らしいと共感しても、やっていることが全然違えば人は離れていく。


リーダーであれば、理念に忠実に意思決定し、行動することが求められる。

理念は抽象度が高く、概念的でもあるのですぐには見えてこないことも少なくない。 ふとした時に思わず膝を打つような、不妊落ちる言葉が降ってくる時がある。あるいは活動する中で、思わず口に出た言葉や誰かの言葉がそのヒントになることもあるだろう。

よくダイバーシティー(多様性)が大事だといわれるが、根本的な価値観を同じくしていなければ、ただのカオスにしかならない。


価値観が違うと言う事は、違う価値観のルールブックを持っているということだ。同じ価値観に基づくルールブックがないと、何かと軋轢やそこが生じやすく、チーム全体のエネルギーが削がれてしまい、チームが機能しなくなってしまう。


心のそこから大事にしている価値観を表明し、それに共感するメンバーを集めることで、それぞれの長所を持ち寄り、短所を補うヤウ機能的なチームを作ってことができる。


理念とは組織が大切にする価値観を表明したものだ。

理念とは、組織が目指すべき方向性や足並みを揃えるための組織のコンパスと言うべきものである。

理念とは、それが失われたら存在している意味がないとほどに最も権利すべきものであり、それに照らして意思決定すべき組織の憲法でもある。

ビジョンとは、組織が目指すべき将来像をスケッチした下書きと考えればわかりやすい。


リーダーは状況に干して自分の性格を変えられないからであり、また成功体験の呪縛により自分の道を離れる気にはなれないからだろう。つまり人間は成功した方法で失敗するのだ。


どんな人でも自分の欲望関心を起点に物事を判断し、行動するので、周囲の人にとってみれば、その人の意思決定や動き方からその人が本当にしたいこと=関心は影のようにはっきり浮き彫りになってしまうのだ。


リーダーが誠実でないことにより、逆淘汰がかかることで、誠実なスタッフが次々と辞めて行き、不誠実なスタッフばかりが残る。


構造構成主義に置いて、方法とは特定の状況において使われる、目的を達成するための手段と定義される。

どんな状況で、何をしたいかを抜きにしてどういう方法が良いかが決まる事は無い。


方法の原理とは、状況と目的、つまり現在の状況と目指すべき未来を起点とした意思決定に他ならない。つまり埋没コストによる意思決定とは逆ベクトルの考え方なのだ。


チームを構成するのは心を持つ人間である。人間は生きたいように行きたいのでやりしたいことをしたいのだ。

リーダーは、パフォーマンスに直結する能力は考慮しても、関心は見落としやすい。関心を尊重しないマネジメントは、人間の本質から外れているが故に、誰も幸せにしないのだ。

適材適所の本質とは、さしあたり関心と能力を踏まえながら、それに適合する仕事は役職を与えることと言える。


できるだけその人の関心と能力に見合った仕事や役職を与えること。