教室の中のおはなし
【その1】
「先生、話したいことがあるんですが」
二人の子が休み時間にやってきました。
「さっきの理科の時間、磁石を先生のカメラにくっつけてしまいました。
壊れてないか心配です。すみませんでした」
急にそんなこと言ってきたので、少し驚きましたが
「正直に言ってくれたから、大丈夫だよ」
と言って、
にやにやしながらカメラを起動させました。それを見て
「あーよかったあ」と安堵の声をあげていました。
言わなければ何も気づかなかったのに、良心の呵責があったのでしょうか。
ごまかしたらいけないと思ったのでしょうか。
よくわかりませんが、素直な子たちになんかいいなあと思いました。
【その2】
「今日の昼休みはドッジボールの集会をします」
「えー、この前もやったのに!」
「ドッジボールいやだあ」
と声があがります。
しばらく様子を見ていました。
すると、「金曜日におにごっこするなら、今日はドッジボールでもいいや」と
何人かが言い出しました。
私は「お?」と思いました。あれ、そんな融通きかせられるんだ・・・。
ちょっと前まではそんなことなかったように思います。
「みんな納得したのかな?」と私は聞いてみると、最後の一人がまだ納得していません。
しばらく会話をしていました。
そして「金曜日におにごっこならいいよ」と言っていました。
ちょっと前までは「全員が納得する遊びなんてないから、付き合ってあげてね~」なんて私が言っていましたが、子どもたち同士で納得する話し合いができていました。
いつの間にそんな成長したんだろう。
小さなことですが、うれしい気持ちになりました。
おしまい。