おに先生のブログ 〜自分らしくって何やろうね〜

福岡の小学校の先生です。出来事や自分の気持ちを淡々と書いていきます。『学び合い』も時々

話を聞くこと

19歳の頃、大学受験浪人していました。予備校ではほぼ一人で、会話する相手はいませんでした。浪人生という肩身のせまさから、家に帰っても家族と話すこともあまりありませんでした。

 

大学に行っている友人の話を聞くと楽しそうで億劫になるし、働いている友人の話を聞くと、自分はいったい何してるんだろうという気持ちになるので、友人と会う機会もほぼなくなりました。

 

孤独感から逃れたかったのか、予備校近くの公園にいる鳩に話しかけたり、ノートに自分の気持ちを書いたりしていました。
「北海道に行きたい。自分の人生を広げたい」呪文のように呟いていました。もはやそれしか頼りになるものがなかったからです。

 

 

幸い、受験が終わり、春から北海道に行くことができました。しかし、1年間ほぼ人と関わらなかったからか、北海道に行った当初の自分はコミニケーション能力がかなり低かったと思います。当時の日記を読むと、明らかに変です。

そんな私でも仲良くしてくれる人たちがたくさんいました。その人たちとの関わりの中で、強く記憶に残っている出来事があります。北海道に来たばかりの頃、私は吹奏楽を続けていくか、悩んでいる時がありました。上にも書いたように、自分の考え事は自分で何とかするのが当たり前だったんですが、たまなま当時仲良くしていたTくんが、私の話を聞いてくれました。なぜかすごく感動しました。今でも記憶に残ってるくらいです。

 

初めての感覚でした。
いや、それまで関わりのあった人たちにもたくさん話を聞いてもらってきてるはずのなのに、そのような感覚は経験したことがありませんでした。

おそらく、「人に相談する」という経験がそれまでの人生で少なかったことと、1年間人と関わることをほとんどしていなかったために、「人に相談する」という行為が自分の中から無くなってしまっていたからだと思います。

その時強く思ったのは、「こんな人になりたい」どうしたらいいか分からなかったので、いろんな本を読みました。本に書いていることを試した時期もありました。

 

色々と考えたり、試したりしていたのですが、話を聞ける人よりも、話が面白い人、場を盛り上げられる人の方が魅力的に感じることが増え、いつのまにか、そちらの方に興味がうつっていきました。

 

性格悪いんですが、自分はできるだけ面白い話をしようと意識しているのに、全然つまらない恋愛話や、愚痴話を延々と聞かされることがバカらしく思ったこともありました。
※しかも食事代を奢るなんてことも。

 

ただ、人に相談することに対するハードルはかなり下がっていて、色んな人に話を聞いてもらうことは何度もありました。それからは話を聞く、聞いてもらうことが、同じくらいの関係を作ることがスタンダードになっていきました。


それからだいぶたち、教職に就きました。子どもや保護者との信頼関係をつくるためには、話を聞くことが必要だということを実感し、基本的に話を聞くスタンスでいます。これは多くの先生たちがやっていることなので、特筆することではないんですが、私は意識してやってます。「なんでずっと話を聞かなければいけないんだ」と思ってしまったら、すぐに態度に現れそうだからです。信頼関係のため、と思えばしっかり聞けます。この自分自身に聞く必然性があることが重要だと分かってきました。

 

最近になって、Yさんに、私の話を聞いてもらうことがありました。主に『学び合い』のことです。Yさんは『学び合い』のことに興味を持っていたので、私の話を熱心に聞いてくれました。私はその時、過去のことを思い出しました。Tくんに話を聞いてもらった時のことです。あの時の感覚に近い。

 

ああ、そうか。
聞き手に必要感があって、話を最後まで口を挟まないで聞けばいいのか。単純なことに気づきました。これは生かした方がいいぞ、と思いかけていた今年の夏、ある若手の先生から相談の依頼がありました。

 

その時、思い出しました。

そうだ、話をしてもらおう。

心ゆくまで。

人生レベルで。

それをすべて聞こう。

そうすれば、人となりが少しはわかるはず。

 

40分ほど、話をしてもらいました。

あっという間の時間でした。

人生の話を聞くのってこんなに楽しいんだと思いました。話をしてくれた若手の先生も、考えをまとめる機会にもなったようで、お互いにとってとてもよい時間でした。

 

この時、確信しました。

これだ。

これはお互いにとってメリットがあるはず。

Tくんに話を聞いてもらって約10年。

色々あったけど、自分なりの「話を聞くこと」スタイルができた気がします。

当のTくんにとっては何のこっちゃ?って感じでしょうが、私にとっては当時の彼のレベルに来るまでに10年の時間を要しました。

 

いかに、義務教育時代に周りと話してないか、、、おっと。これはいけない笑 

 

さあ、書いたらスッキリしました。

明日は高校時代の友人と会います。多分話をじっくりは聞きません。くだらない話をゲラゲラする仲だから。それもまたいい。楽しみ。