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#45 臨時休校を考える

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いよいよ、多くの自治体で緊急事態宣言が解除され、外出自粛が緩和されるようになりました。新型コロナから身を守ることも大事でしたが、「周りの目」の方がもっと恐かったな、と思います。「ほぼ」うつるわけない場所でもマスクをしなければいけない感じ、していない人みるとなんか嫌な感じ・・・日本人って本当に空気を読み合う文化なんだろうな、と思います。いわゆる「自粛警察」はその最たるもの。恐ろしい世の中です。

 

 

さて、宣言が解除されて、学校再開が急に見えてきました。

来週から分散登校、再来週から再開・・・という自治体が増えそうです。

「感染対策をしながら」「三密をさけ」「テレワークや時差出勤をしながら」など無茶ばかりが並んでいる中の学校再開。それでも、学校再開を喜ぶ方は多いのでしょうね。

 

多くが2月末からの休校。2ヶ月半近く続いた臨時休校、果たして学校現場は変わったのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

いくつか投稿を集めましたが、これらの指摘に反して、多くの学校では、「どこも変わってない」と思います。 

 

子どもたちに「宿題」という名の課題を押し付けることを「勉強」とし、休校になっても家庭に課題を押し付けていることに対して違和感を持つことがない。学ぶ主体は子どもたちのはずなのに、「させる」ことばかりに囚われて、子どもたちは置いてきぼりになっていることに気づかない。まあ、これは休校になる前となんら変わらないことですが、今回の件で露呈しましたのではないか、と思います。

 

TwitterやFacebookでは、「学校はほったらかし」「オンライン授業は進まない」「課題を出されてもすべて学校に丸投げ」という意見をちらほら見ましたが、結局そんなのは、ネット上の意見。学校には届いていないでしょう。多くの学校は今までと同じことをやり続けました。これに対して違和感を持った教員はどれくらいいたのでしょう。こんなのでいいのか、と思った教員はどれだけいたのでしょう。

 

本当は、この休校中こそオンライン学習に進まなければならなかったのに、残念ながら、多くの学校ではそれが叶わなかった。先日、文科省からかなり強めのメッセージが発信されたことが話題になりました。

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文科省発表資料より

この指摘通りだな、と思います。オンラインのことなんて、何も進んでないように思います。

 

 

「リスクはどうするんだ」

「ネットにつながらない家庭はどうするんだ」

「他の学校と足並みを合わせないと」

 

文科省の強いメッセージはこのような声に対する苛立ちと後押しだったのではないか、と思います。また、休校が解除され、学校が再開された時点で、オンラインに進む流れは一気に後退するだろうと思います。

 

でも、リスクを踏まえた声があがるのも無理はありません。空気を読み合う日本人のことを上で少し触れましたが、学校の教員が起こす不祥事を大なり小なり、報道し、学校側に責任を求め続けてきたり、学校に執拗に要求をしたりしてきた結果、学校は「守り」の姿勢になり、リスクに怯える組織になっていったのではないか、と思います。

 

私自身、このオンラインへの流れに対して、少し期待もしていました。

オンライン学習は、今までの方法が一切通用しません。子どもたちに強制することもできないし、下手なことをすれば、拒否される。親も常に監視しているし、言動を間違えたら晒される可能性もあります。今まで子どものせいにしてたものが、すべて「教員のせい」になる。

そこで初めて「子ども側」「受けて側」に立つことを考えるのではないか、と思いました。

 

しかし、上にあげたように、「できない」理由ばかりあげて、オンラインの流れには進まず、

プリント課題で食いつなぎ、学校再開にたどり着きました。さて、「ネットにつながらない家庭はどうするんだ」と言っていた方々、これから先「学校にこれない子はどうするんだ」にきちんと向き合ってほしいですね。

 

さらには、学校再開後は、夏休みや冬休みの短縮、土曜授業日の設定。

2ヶ月半学校がなかったことを「取り戻す」のではなく、残り9ヶ月でできることは何か、を考えることにはならないのでしょうね。子どもたちの意見なんてまるでなし。この2ヶ月間休業していた業界は、この後2倍労働時間を増やしたりするのでしょうか。実社会ではあり得ないことが学校では、子どもたちにはさせてよい。なんてことが何の疑問もなく決まっていく。

 

親たちの多くも、家に子どもを居させ続けることに辟易してきたのでしょうね。それはとてもよくわかりますが、これから先学校に子どもをやることはリスクだらけだってことを承知しておいてほしいですね。また、授業時間が増える方針が決まろうとも、それを緩めるかどうかは学校の教員にかかっています。僕だったら「夏休みをカット、土曜授業までして本当に大人たちの都合に振り回されているよね。大人たちに変わって、本当にごめん。そんなに頑張る必要はないよ。体壊さない程度にやろうぜ」と言うと思います。

 

一人一台のPCも今年度中に届くとのことですが、こんな状況で、どう考えてもつかいこなせないでしょう。「子どもたちのために」という名目で今まで行っていた行事や学習も復活させていくのでしょうか。一方で「教科書が終わらない」と叫び、課題をたくさん出して子どもたちを追い詰めていくでしょうか。

 

学校の再開を喜ぶ声もありますが、学校というのは人間関係のトラブルだらけの場所です。

夏休みや土曜日は減らされ、行事もない。友だちと学び合うことも制限され、ただひたすら勉強させられる。待ちわびた学校再開は、今まで以上に子どもたちにとって、教員にとって過酷な場所になるように思えないのは私だけでしょうか。

 

そのようにしたのも、大人たちだと思います。

私はもうしばらく外から様子を見ておきたいと思います。

そして仲間とつながり、少しずつ動いていきたいと思います。

今回の休校で気づきました。結局「やるぞ」と言えるかどうか。

子どもたち側に立ちながら。