『学び合い』実践者がGIGAスクール構想に向けて頑張ってみる②
「学校現場の授業は何も変わっていない」
「GIGAスクール構想が授業を変えるチャンスになれば」ということを①で書きました。
さて、GIGAスクール構想の実現によって、一人一台の端末が導入されたら、授業はどう変わるのか。
すごく丁寧に説明されているな、と感じます。
自分の行う授業で当てはめて考えると、今まで以上に効率よく学ぶことができるだろう、
いろんなことができるだろう、と思います。例えば、総合の学習で一人ひとりの課題に合わせて、自分で調べる作業がとても効率よくなるし、クラウド上に保存してれば、お互いの調べていることや、まとめ方をいつでも共有することができます。最後のまとめも、プレゼンソフトを使えばいいので、いちいち大きな紙に書く作業がなくなります。
しかし、これを使いこなせる先生はそう多くないでしょう。もちろん、①にあげた動画にも「誰しも使いこなせる必要はない」とおっしゃっていましたが、ICT機器が苦手な先生もいるはずです。しかし、苦手得意に関わらず「従来型」の授業の考え方で行えば、結局端末はただの調べ道具、機器に慣れるだけの道具にしかならないでしょう。今までと何も変わらず、子どもたちの一人ひとりの学びは充実することはないです。また、先生たちが、このような文科省の動画や資料をすべて目を通すとは思いません。新しくなった学習指導要領すら見ていないという方が大勢でしょうから。
西川先生の指摘は、的を得ていると、思います。
多くの先生たちにとって「チョーク&トーク」の方が楽、というのはその通りだと思いますし、学校に勤めている方なら、多くの情報機器がお蔵入りされているのは誰でも分かることです。
日本のICT活用は世界から見ても遅れている
ICTを使う業種がこれからどんどん増える
国の構想だから
そんなことを言っても多分誰も本気にしません。私だってイメージつきませんから。
それよりも、多くの先生たちにとっての関心ごとは「教科書を終わらせる」こと。
決して皮肉を言っているわけではないです。私だってそうだったし、それはそれで「正しい」ことですから。でも、中身が伴っていない。「子どもたちの勉強が分かる、分からない」は関係ない。
だから、GIGAスクール構想を実現していくには、作戦を立てていかないといけないだろうな、と思います。少しずつ噛み砕いて説明し、実際に観てもらって、納得してもらった人と一緒に広げて・・・と。あ、『学び合い』を広げていく流れと同じですね。
最後に、このGIGAスクール構想で一番抜け落ちていることを『学び合い』実践者として書きます。それは「学校は、先生に言われて学ぼうとする子ばっかりじゃない」ということです。
一人で学べない子、学ぼうとしない子、できない子・・・教室にはたくさんいます。
一人一台の端末が導入されたからって、それを「使おう」と思わなければそれはただの箱でしかありません。「それはこうやってするんだよ」「わからないから教えて」がない環境では、
一人一台は「無」となるでしょう。先生がサポートすればいい、という意見もあるでしょうが、そんなのはいわゆる「机間巡視」と同じで、関われる時間と子どもは限定されてしまいます。「教える先生を増やす」という考えも出てくるでしょうが、結局教える相手が多ければ同じことです。
『学び合い』の願い「一人も見捨てない」はとても強力です。
今、『学び合い』を制限されたからこそ、よくわかりました。大勢の中にポツンと
「学ばない」「学べない」子がいるってことを。教師の力じゃどうしようもないことを。
でもやっぱり、GIGAスクール構想は、子どもたちの学びを充実させ、「従来型」の授業を改めるチャンスだと思います。少なくとも現状では、『学び合い』が広がるよりも、可能性がある。今までの授業を見直し、子どもたちの学びを充実させる、という方向に少しでも迎えたら、『学び合い』を広める目的と一致します。
そういうわけで、私はこれから「頑張ってみる」ことにしました。
おわり