目標と評価の一体化
今日は学校の先生向きの内容です。
先日から「学習評価」の研修を受けています。
そこで何度か話題になったのが「目標と評価の一体化」です。
つまり、ゴール(どんな子どもを育てたいのか。子どもにどんな力をつけさせたいのか)を
具体的にイメージし、授業を行い、評価を行うというものです。
私は『学び合い』を実践してきた身として「目標と評価の一体化」というのは、
基本中の基本、みたいなものです。
こちらの方でもまとめていますが、
『学び合い』の授業観(今はなくなっている)に
教師の仕事は、目標の設定、評価、環境の整備で、教授(子どもから見れば学習)は子どもに任せるべきだ
とあります。
子どもたちに学習活動のほとんどを任せる分、ゴールを明確にして、ゴールできたかどうかを
授業中(の最後)に評価しましょう、というものです。
『学び合い』の授業は、授業のはじめに簡潔な言葉で子どもたちに目標(課題)を伝え、子どもたちは活動に入ります。その間、子どもたちが学習している様子を見ながら色々考えるわけです。「あ、子どもたち全然動いていないな。この課題は子どもたちにとって分かりづらかったな」「お、動き出して聞いてる。でも、時間内に間に合うかな。最後になんて話そうか」と考えるようになります。
そして、授業の最後に「今日の課題は達成できましたか」と話をします。
挙手をさせたり、ネームプレートを使って達成したかを確認したりと色々方法はあるのですが、基本的に自己申告制です。でも、子どもたちは毎時間「目標(課題)が達成できたのか」を考えるようになります。そして、もし課題が達成できなかった場合は「次の時間、どうすればいいだろう」と教師は聞きます。子どもたちは自分たちの学習状況を振り返ります。この繰り返しです。
すると、次第に目標(課題)が洗練されてきて、最後の評価も的確になってきます。
また、授業中の子どもたちの見取りも変わってきます。なぜならゴールが教師の中で明確になってくるからです。授業の最後に目標の確認だけでなく、授業中のよかったところを話すようになります。それは1時間の評価ではなく、もっと長い時間をかけて子どもたちに育ってほしい「子ども像」が見えてくるからです。
このように、『学び合い』の実践では「目標と評価の一体化」を常に行います。
もう8年近く前から私は行ってきたことなので、この話を研修で聞いた時に少し驚きましたが
それだけ『学び合い』は最先端を行っていたということでしょう。あとは、「目標と評価の一体化」をどれだけの人が『学び合い』ルートと、そうでないルートで経験するのか、ということに僕は関心があります。いずれにしても、これからの僕のすべきことは、自分の実践をいかに、噛み砕いて伝えていくか、にかかっているように思います。