【『学び合い』の授業】おに先生の課題のつくりかた
現在私は小学校5年生の担任をしています。
主に算数の授業で『学び合い』の授業を行なっています。
(正確に言えば、僕の教育実践の根底が『学び合い』の考え方なので、実践自体は教科や内容に限りませんが、算数が本に載っているオーソドックスな授業なので、こう書きます)
今回のブログでは、私がどのように課題をつくっているか、紹介したいと思います。
1点注意していただきたいのが
あくまで「おに先生の『学び合い』の課題のつくりかた」であるということです。
参考程度に見ていただけたらと思います。
まずは、先日課題を考える際にメモしたノートの1ページです。
字が雑なのは置いておいて、結構ざっくりですよね。
この写真からだと分かりにくいですが、よく見ると
大きな課題と、補足事項、必修事項がそれぞれ書いていると思います。
大きな課題は、時間内に子どもたちに達成してほしいことです。
「〜できる」の文末が基本です。
今回の単元では「3人以上に説明できる」としている課題が多いと思います。一ヶ月近く『学び合い』の授業を実践してきて、関わり合うことに慣れてきた一方で、人間関係が固定化しだしてきたことを「ほぐす」ねらいがあります。また、一つの問題の解き方を考える課題の場合、3人以上にすると、説明しているうちに自分の理解が深まっていくと考えています。
補足事項は、課題の内容には関係ないけれど、課題や子どもたちの取り組みに対して注文をしたいときに使います。☆の項目がそれです。例えば「説明を聞いて納得できたらサイン」という注文書いています。これを大きな課題に入れると課題自体が長くなって、何がなんだかわからないので、課題はシンプルに、補足は別に伝えるというのが僕の手法です。
必修事項は課題を達成する中で、必ず子どもたちに取り組んでもらいたい「チェックポイント」のようなものです。算数の教科書には「定義」や「法則」が「まとめ」という形でのっていることが多いです。課題に取り組む中でそれらに触れていれば問題ないのですが、意外と触れないことが多いと考えています。だから「必ず触れておく」という項目を書いておきます。もちろん、触れるだけで理解していなければ全く意味がないのですが、それは一斉授業でも、その他の教育実践でも同じ。本人が課題に取り組む中で「ああこれのことか」と気づけるようになるまでのあいだは、とにかく書かせておく、と考えています。
このメモを書くだけで10分くらい。本当に時間がないときは、このまま黒板に書き1時間ずつ授業をしていきますが、せっかくだからまとめて子どもたちに伝えた方がいいと思います。なぜならどんどん学ぶ子が予習できるからです。
次に、子どもたちに課題を伝える際、以前は以下のようなプリントを作成して
子どもたちに配っていました。
上のメモに比べると、必修事項がだいぶ細かいと思います。
また、振り返りを書く欄もあると思います。
この時は、学習の足跡をしっかり残したいという想いと、
学習の振り返りまで行いたいという想いがあったんだと思います。
ただ、子どもたちはこの課題に沿って学習していくので、ブレることはなくなりますが、
教員の準備に時間がかかることと、子どもたちの学びに自由度が少ないともいえます。
バランスが悪い。
そこで、今年度は課題一覧を「Googleスライド」で作成しました。
分数の作成だけはアプリを使っているので特殊なのですが、それ以外は、すぐにつくることができます。あとは、クラスルームなどから配信するだけです。こうすることで、子どもたちは自分の端末から課題を見ることができるし、もちろん予習をすることもできます。はじめてやってみたけれど、結構うまくいったように思います。
いかがだったでしょうか。参考になる部分があれば幸いです。
一方、算数の授業を研究している方、日々一生懸命教材研究をしている方にとっては
「適当すぎる」と思われるかもしれません。
大いに結構です。ただ私にはもう教材研究に時間をかけている暇はないのです。また、時間をかけたからといって、子どもたちのためになるとは限らない。
これは、学校教育現場に蔓延る「悪いクセ」だと思っています。僕は、とにかく短い時間で最大の成果を求めます。それがこの『学び合い』の課題のつくりかたです。もちろん、この課題だけでは『学び合い』の授業は継続しません。
この課題が本当に最適だったのか、子どもたちの様子を見取り、適宜修正する必要があります。そして、子どもたちに何を語るか、考え続ける必要があります。そういう意味では、課題は簡単でも、『学び合い』の授業自体は簡単ではないのです。
見取り、語り、修正・・・
このあたりは本当に文章に表しづらい部分です。だからこそ「対話」が必要だと思います。
『学び合い』の会などで、語り合う機会はとても大事だと思っています。
そろそろ開催するか、参加したいものです。