音楽で何を目指すのか
そろそろ小学校は音楽会の時期です。
学習発表会と呼ばれる所もあります。
先生たちのなかには、高い指導力を持った方がいます。実際、発表を聞くとはっきりと曲に現れます。
私も音楽を続けてきた身のはしくれとして、達成感のある音楽はたくさん経験してきましたし、そういう音楽を子どもたちに体験してもらいたいと思う気持ちはわかります。また、そのような音楽は本当に厳しい練習を重ねたうえでしかできません。
しかし、それは小学生すべてに必要なことか、と思います。
そもそも音楽会自体、子どもたちが選んだ行事ではありません。
「音楽会という行事があるから、音楽をする」のであり、させているのは、間違いなく
教師です。これって音楽にあまり興味のない子、苦手な子にとっては「なんで音楽会なんてあるんだよ。誰が決めたんだよ」と思っても仕方ないと思います。
でもそういうのは許されません。「全員がやる」ことを強制させられます。
もちろん、そのような機会があるからこそ、音楽に触れることができるのであり、
みんなで音楽を創ることができるのはわかります。私も少しでも多くの子が音楽好きになってほしい。だから、子どもたちには、「やろうよ」と誘って参加してほしいなと思います。「一緒に音楽しようよ、楽しいよ」という形で音楽をして、みんなで練習する楽しさを知ってほしい。もし、音楽に興味が出たら、何らかの形で続けてくれたらうれしいし、やっぱり興味がなくてもそれはそれでいい。
だって、中学校の生徒みんなが吹奏楽部に入ったら気持ち悪いですしね。
そして参加してくれることに感謝しつつ、協力もお願いする。
「全員でやらないと学年の音楽にならないんだよね。だから自分の担当する楽譜はできるようになってちょうだい。もちろん、友達に聞いたっていい。それは学校で育つ力の一つだから」と子どもたちにお願いします。
だって、「音楽会」は教師側の都合で企画されているんだから、
提案して合意を得ないと、ただの強制ですよね。
そして、時間内にできることをする。
必要以上に時間をとらない。音楽はきりがない。
目指したい音楽が高ければ、それだけ時間がかかるかもしれないけど、
できる範囲を決めておかなければ、子どもたちは一気にやる気をなくす。
ま、そんなことを感じつつ、音楽会に向けて練習を頑張っています。