『学び合い』と点数
『学び合い』は従来型の授業と比べて異なる部分が多いので、どんな授業なのか、どんな意図があって行なっているのか、子どもや保護者に具体的に説明をする必要があると考えています。
また、「この授業でも子どもたちは学習内容がわかる」ということを保護者に理解してもらうために、「テストの点数」が結果として出るように以前はかなり意識していました。
実際に『学び合い』関連の書籍でもそれについて記述があります。
(手元に書籍がなかったので、後日引用します)
私は、『学び合い』を実践して2年目からテストの点数を子どもたちに求めるようになりました。
そして、全員が業者テストで全員が90点以上を取る、ということが3つのクラスできました。
その後低学年を担任するようになってから、「全員◯点」ということは子どもたちに求めることはせずに、
課題づくりの指標や子どもたちの学びの目安として点数は扱うだけになり、今でもそのような感じです。
おそらく、次に上の学年を持っても、強く点数を求めることはせずに、「全員が◯点以上をとれる勉強をしよう。さあ、今回のテストはどうかなー」くらいにしか子どもたちに語らないと思います。
このように考えるに至った点も含めて、今までに経験したことや、感じてきたことがいくつかまとめたいと思います。
①全員◯点以上で苦しくなる子がいないか?
②先生が苦しくないか?
③知的障がい、外国人の子などがいる時、どうするか。
④だからこそ、今の私のスタンス。
①全員◯点以上で苦しくなる子がいないか?
全員◯点以上という目標はある子に対して、必要以上のプレッシャーを与えると思います。(全然感じない子もいるとは思いますが)
「自分だけ◯点取れなかったらどうしよう」
「◯点取るためにどうすればいいだろう」
「お前のせいで、取れなかったと言われやしないか」
そんなことを思う子がいてもおかしくありませんし、実際に私もそんな言葉が出てくるのではないかとヒヤヒヤしていました。
もし「全員が◯点以上なら、ご褒美」というものだと、取れなかった子がいた時に「あいつのせいで」となるでしょう。つまり、誰かが損をするような共通目標は、非難を生みやすい。だから教師が「◯点を目標にしよう」と強く求めれば求めるほど、ある子に対して強いプレッシャーを与えるだけでなく、子どもたちの人間関係にも影響を及ぼすということを意識しておき、「◯点がとれなくても損をしない」ことを話したり、「◯点というのは、学習の目安であって、本当の目標ではない。本当の目標は、みんなが分かることだ」と教師が繰り返し、子どもたちに語ることが必要ではないかと考えます。
②につづく。