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#56 先生、本はまだですか

 

 

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「先生、本はまだですか?」

年賀状をいまだに送ってくれる最初の卒業生が、毎年そう書いています。

 

最初の卒業生を小6で持った時、福岡の『学び合い』の会に通うようになりました。

そこで、ボスから「本を出したいんだ」という話をされました。

『学び合い』のエピソードが詰まった本です。

 

僕はその話に心が躍りました。本を出すなんて、なんかすごい人みたい、と。

すぐに子どもたちに伝えました。「ねえ、みんなのことが本になるかもしれないよ」って。

子どもたちは「すげー」と喜びました。それからずっと私に「本はまだですか」と言い続けているその子。僕はまだその子に有言実行を果たしていません。

 

実は、原稿を一度書きました。それを集めた短編集のようなものを作ることになりました。

これがいよいよ本になる!と思ったら、そんなに甘くはありませんでした。「売れない本は出版できない」「エピソード本を買う人なんていない」そういう世界だということを初めて知りました。

 

それから数年して、kindle本の話を聞きました。出版社を通さない、自費出版が簡単にできる、と。確かに調べてみると、可能そうでした。そこで、登録を済ませてみました。確かに可能そうです。なら、どんな本を書こう・・・と思っていた時に、他県の実践者の方が本を出しました。

 

あまりの質の高さに、驚きました。この本があれば他の『学び合い』本はいらないのでは?と思ったほどです。それで一気にやる気がなくなりました。僕くらいのレベルじゃあ、本なんて書くのは無理だろうって。

 

それから少しして、『学び合い』のビギナーズセミナーを開催することになり、『学び合い』の本を改めて読み直すことになりました。すると、あることに気づきました。

 

「これってどこに何が書いてあるか、わかりにくいよな・・・」

 

仕方なく、どの本にどんなことが書いてあるのか、すべて書き出してエクセルでまとめました。そして、それをもとに、セミナーの内容を考え、参加者の方に話をしました。自分の話の背景に、「本にはこう書いてある」というのは心強いものでした。

 

それから少しして、福岡の『学び合い』フォーラムを終えたあと、自分のことを振り返りました。案外7年間という時間の中で様々な実践と経験を積んできたんじゃないかな、と思いました。実力も器もないけど、自分なりの経験なら、人に話すこともできるんじゃないか、それなら本にしてもいいかも、と思いました。

 

それからまた少しして、東北の尊敬する実践者の方が本を出しました。素晴らしい本でした。

僕には絶対書けない本でした。そこで諦めようかと思っていたところ、著者の方に、

「いろいろなチャンネルから発信できるといいですよね、ぜひ本を出してください」

と言っていただきました。そうか、自分は自分のできる範囲で本をつくればいいんだ、と自信になりました。そして、4月からの育休中に書いてみようと、意気込んでいました。

 

 

しかし、またやる気が減退していました。ネットがこわいからです。

インターネット上で何かを発信すると、必ずアンチが現れると思います。

正直私はアンチに耐えられるとは思いません。それなら、本なんか出さずに、

自分のできる範囲ですればいいじゃないか、と思うようになりました。

 

 

そんな時に、ブログにコメントをいただきました。

「ああ、関心を持ってくださる方もいるんだ」と思いました。

そうか、そういえば「先生、いつ本を出すんですか」と言ってたあの子もいた。

 

できない理由をあげればキリがない。

隠れようと思ったらいつまでも表に出てこれない。

なら、一歩前に踏み出してみよう。

 

そう思いました。その一歩が、昨日、今日です。

 

 

さあ、どんな本になるのか。まだ「1年目」の章です。3万字になりました。

私の『学び合い』は7年間もあります。どうなることやら。