おに先生のブログ (noteに引っ越しました)

小学校の先生のブログ→引っ越しました→https://note.com/onisensei024

#83 三十代

北海道の堀先生の記事。「三十代には分岐点がある」

 

https://note.com/hirotsugu1966/n/n2cd50d9443d0

 

まさに私が2校目(厳密には3校目)で、30代。ここに書いてあることで、当てはまることがたくさんあって、読みながら恥ずかしくなってきた。まあ、私は一般的な30代なんだろうし、 30代教員として、一般的な道を歩いているんだろう。

 

 子どもたちに対する教育観が違う、保護者に対する対応の作法が違う、各種行事に対する熱意が違う。さまざまなことが形式的に進んでいたり、逆にひどくゆるくていいかげんに見えたりする。自分がそれなりにやってきたという自信が、「この学校を変えてやる!」になる。ついつい職員会議での厳しい口調につながる。もとからいた教師たちに少しずつ距離を置かれ始める。或いは「こんな学校、さっさと出てやろう」になる。数年で転勤するつもりの仕事振りを示す新任教員に、職員室から温かい視線など向けられようはずもない。こういう三十代教員のなんと多いことだろう。

 

恥ずかしいくらい、自分のここ数年の内面を示していた。

「この学校を変えてやる!」ほど意気込んではなかったけど、「よりよくしたい」という気持ちはあった。それは、辛い部分をたくさん見てきたことと、それに対して誠実に向き合おうとしてきた所以であり、問題が棚上げされていくことへの焦燥感からだったとも思うけど、どうしても滲み出るものはあったと思う。「こんな学校、さっさと出てやろう」まではないけど、「自分はこの学校にいても役に立たない」と思ったことは何度もある。

 

学校改革をよりよく遂行できるのは、その学校の事情をよく理解し、その学校に深い愛情をもつ者だけであることをその教師は理解していない。自分の経験から導かれた正しさだけを基準にした改革の断行は多くの場合うまくいかない。職員会議というものは何が正しいかではなく、だれが言ったかで決まるものだ。その意味で、職員室でまず目指すべきは「あの人が言うなら仕方ない」と思ってもらえるような人間として認めてもらうことなのだ。

 

これは、何かの機会に別の方も同じようなことを言っていたし、自分も少しずつ重要性を感じるようになった。『学び合い』を広げるためには、まず私自身を受け入れてもらうことが重要だと感じていた。『学び合い』を実践していたしても、トラブルはほかのクラス同様に起こるし、私もミスをする。何かしら起こったことに対して、「そんな授業やってるから子どもたちがトラブル起こすんだよ」と見られるか「おにさん、そんなトラブルも子どもたちが解決に導いいたね」と見てもらえるか、同じ事象においても全然違う。しかし、私の職員室での発言はそんなに通ることはなかった。おそらく、上の引用にあるように「怒り」の感情がこもっていたからであろう。

 

「うまく」やろうとすることと、「自分を押し殺すこと」その狭間にいたことが多かったように思う。結局、仕事から離れてみて、「周りが必要としていること、イメージしていることから乖離していること」は伝わりにくいし、「あいつ何いってんの?」にしかならないってことではないか、と思う。ICTに秀でているわけでもないのに、ちょっと全体で話をしたら一気に風向きが変わった。応援してくれる方の後押しもあって、一定のポジションを得るほどになってしまった。もしかしたら5年近くかけてそれを築いてきたかもしれないし、「たまたま」かもしれない。いずれにしても、自分が望んだタイミングで「あの人が言うなら仕方がない」となるわけではない、と思っている。

 

 

 三十代には分岐点がある。生き方の意識の中心を職場に求める教師と、それを職場外に求める教師との分岐点である。後者の場合、その基準となるものが行政の示す方向性であったり、官製・民間を問わず各種研究会であったり、書籍やセミナーで出会った先達であったり、学生時代の付き合いや趣味の仲間との交流であったり、仕事は喰うためと割り切って家族第一・家庭第一であったりとさまざまだが、いずれにしても勤務校の人間関係とはある程度の距離が置かれる。

 

これは間違いなく、30代になって変わったことだ。そして、この通りに生き方、働き方が変わっていった。一方で、職場の同僚と呑みにいったり、遊びに行ったりすることは、20代の頃と比べて激減した。もちろん、職場の雰囲気も重なることがあるが、そこは大きく違う。

20代の頃はある意味「若手」カテゴリーで、盛り上がっていただけかもしれないが、案外この関わりは、当時の自分にとって励みになっていたのかもしれない。この文章の後に、「30代の呑み方」について指摘があるが、これは堀先生の本にも紹介されている。

 

教師が30代で身につけたい24のこと

教師が30代で身につけたい24のこと

  • 作者:堀 裕嗣
  • 発売日: 2016/02/18
  • メディア: 単行本
 

 

いったい何回30代を経験したんだ、と思うくらい「30代教師」についてまとめてあったことを覚えているが、おそらく教師という仕事は、だいたいみんな同じような道をあるくんだろうな、とも思う。

 

 

さて、堀先生の投稿にしびれて、いろいろ書いてみたものの、何だかんだいって「自分で経験してみる」ことがないと、この文章は全く響かない。30代のはじめと、30代中盤じゃ大きく違う。「あの頃はよかった」とは思わないけど、今の生き方、考え方が今後の教師人生に前向きになるように、そして奢りにならないように、気をつけておきたいと思う。

 

このような投稿に感謝したい。