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ICT活用へのぼやき(定期的)

ICTをどのように活用するのか

ICTを活用した授業をどのように行うのか

 

ここ最近、よく聞く言葉です。

そして、それに応え続けるのが僕の今の仕事です。

 

しかし内心はこう思ってます。

 

 

 

もっと先を見なければ

原点に戻らねば

 

 

 

しばらくはICTを使うことが目的になってもいいと思います。ICTを使いこなせるスキルはこれからの社会を生き抜くというより、社会を形成していく上で欠かせないでしょう。いいかげん、紙とハンコと窓口業務にはおさらばしなければ。働く人が減るんです。少ない人間で生産性をあげていくには、無駄を削らなければならない。

 

コロナ関連で給付金が遅れている、という話をちらほら聞くけど、あれはまさにDX化できなかったことのあらわれ。昨年の特定定額給付金も、ゴタゴタしたのは多くの人が経験したことでしょう。データの管理が行政レベルで全然できていないことが露呈しました。

 

だからこれから社会に出ていく人たちは、ICT当たり前、DXあたりまえ世代でないと、困るわけです。こんなことは素人の私にでもわかります。

 

これがICT活用自体を目的にする理由の一つだと私は考えています。

 

そして、ICT活用が進めば、自分で学んでいける子はどんどん学んでいけるようになるでしょう。分かりきったことはとっとと飛ばして、学年の枠とか、教科の枠とか、飛び越えてしまえばいい。やりたい事をやりたいようにするには現行の法規では難しいけれど、外れさえしなければ、幅は大きく広がるでしょう。

 

ただ、ICTは魔法の道具ではない。急に子どもがやる気になったり、学力が向上したりするはずがない。

 と考えます。

 

某お役所が発信している情報の上部だけ見てると、「勉強が苦手な子はAIドリルで繰り返し学んで復習していけばよい」と捉えられる時があります。たしかに、算数でつまずく子って、前の学年の内容が分かっていないから、つまずいていることもあります。ただ、前の学年の内容が分かったから、今の内容を学ぶかといえば、人間、そんな簡単なもんじゃない。様々な要因で「学ぼう」としない子がいます。それは、先生の力だけで解決できるものでないです。ましてやAIにできるとは思えません。ではどうするれば、いいか。「集団の力」です。その子に合った関わり方をできる子が現れることが、その子を「学ぼう」とさせます。

 

ICT活用が一部の子どもを「孤立化」することがないように「協働的な学び」という言葉でカモフラージュしているように私は思います。なぜそう思うのかというと、そんな簡単に子どもたちは、それまでの人間関係を越えたつながりをつくれるわけではないし、周りを助けようとしたりしないから。私の経験上、毎日少しずつ関わる機会を増やし、人と関わることの意義を理解することで、子どもたちは「仲良し」を越えたつながりを持つと思います。

 

「ICTを活用した協働的な学び」

「共同編集を通じた子ども同士の対話的な学び」

 

なんて綺麗事で片付けられるものではない、と思うのですが

「ICT活用」を免罪符に、そして上に述べたように「魔法の箱」のように扱うことで、

学級経営も授業もよくなる、みたいな風潮は避けるべきだと思いますし、そこに違和感を感じる方は「ICT活用なんてつまらん」と言ってもおかしくない。

 

やはり最後は原点に立ち返り、

 

どんな子どもを育てたいのか

どんな授業をしたいのか

 

を考える必要があるのではないか、と思います。

 

 この分厚さと量にただただ敬意しか評しませんが、「ちょっとまてよ」と言える人がいないとな、と思います。残念ながら、僕にはそんな力はありませんが。