読みたいことを、書けばいい
こんなに笑いながら読んだ本は久しぶりです。
最初から最後まで笑いました。
いや、笑わせようと思ってないんだと思います。読みたいことを、書いただけなんだと思います。また、ちゃんと中身もあります。
その中でも気にいった文章をいくつか。
あなたは、テクニックを学んで、テクニックの習得が謳う効果・効能・利益・収入を手にしたことがあるだろうか。わたしは、わずか100冊程度だがダイエット本を読んで確信した。テクニックは役に立たない。全く痩せる気配がない。
おっしゃる通り。ハウツー本ばかり読んでいい気になっている誰かを想像します。反省です。
文章力向上72のステップなどという本をみると気が遠くなる。だいたいいつまでステップしているのか。いい加減ホップをするなり、ジャンプをするなりしてはどうか。
これもその通り。世の中には100近くあるテクニックを謳った本がたくさんあるし、それどこかで聞いたことある、って本がいっぱいあります。
また、世に出回る文章術の本には、「おまえがまず文章を習え」と言いたくなるような読みにくい本がある。ものすごく太った人が出すダイエット本のような、有無を言わせぬ迫力がある。
はは、その通り。なんでこんなに読みにくい本を読んでいるんだろう、と自分につっこめない自分。読みにくいなら読まなけりゃいい。
わたしが随筆を定義すると、こうなる。
事象と心象が交わるところに生まれる文章
(中略)
人間は、事象を見聞きして、それに対して思ったことと考えたことを書きたいし、また読みたいのである。
自分が書いている文章が「文章」なのか「文書」なのか、事象よりなのか、心象よりなのか、考えたこともなかったけれど、間違いなくこのブログは、定義するところの「随筆」だと思います。しかも心象よりの。
定義をしっかり持てば、自分がいま、なにを書いているかを忘れることはない。
おそらくこの本で紹介されている「文章術」ってこれだけなんだろう、と思います。そして、あともう一つ。
ともかく重要なことは、「事象に触れて論理展開し心象を述べる」という随筆に、起承転結ほど効率よく使えるコード進行はないということだ。
新聞のコラムなどまさにこれ。そうか、たしかにそうだ。そして、自分はなーんにも考えずに書いていたな。自分が読みたい文章にはなっていなかっただろう。
起;実際の経験だという前置き
承;具体的に何があったか
転;その意味はなにか。テーゼ化
結;感想と提言。ちょっとだけ
うーん、分かりやすい。Twitterで練習をしていこう。
そして、この起承転結によって、この本の文章術が次のようにまとめられている。
事象に出会ったとき
そのことについてしっかり調べて
愛と敬意の心象を抱けたならば、
過程も含め、自分に向けて書けばいい。
まかりなりにも、作文の指導をしている学校の先生である自分が、何もわかっちゃあいないことにだんだん落ち込んでいく・・・でも、気づかせてもらった「敬意」をもとに、このブログを書きました。最後に、この本の中で唯一、教育現場にむけた部分を紹介します。
しかし、今の日本の教育現場では一番だめな方法がまかり通っている。それは何かを鑑賞して、「はい、感じたことを書きましょう」というやつだ。そう先生に言われて「とても面白かったです」と感想を書く、これが小学生の作文である
誰だ、そんなことをさせているのは!
反省しています。
おわり