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主体的な学びを模索する

復帰して1ヶ月経ちました。

私は担任ではなく、4、5、6年生の理科を専科として授業を行う身なので、

授業づくりが一番の使命でした。

自分のクラス以外に入って授業することや、35分で授業を組み立てることに慣れるまでに

時間と労力を要しましたが、何とか乗り切りました。

 

 

授業の流れは、スライドによる説明→課題の提示→実験・観察→ノートまとめ(→次回ノートの交流・ふりかえり)です。この流れは、次にもし休校になってオンライン授業になっても、

一人一台のタブレットが導入されても対応できることも想定しています。

 

ただ、35分の授業の中で、教科書の内容を伝えたり、体験するだけだったら苦労しません。

1ヶ月で分かりましたが、行事もない、グループ活動も控える、実験や体験も控えるという中で「教科書の内容を終える」だけなら、2学期いっぱいで、1年間の内容が終わります。

ペースは単純に考えていつもの倍です。

 

しかし、それではいけない。

新しい学習指導要領がスタートしています。

子どもたちに「資質・能力」を身につけていく授業を考えないといけません。

そして「目標と評価の一体化」がキーワードになっているように、今の授業の中で

子どもたちの「何を」「どのように」評価し、次の学びにつなげていくか、は常に考えておかないといけないと思います。

 

では、「資質・能力」って何か。「目標と評価の一体化」って何か。

この3冊を読めばだいぶイメージが湧きました。

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「資質・能力」って何か。言語化するとどんな力なのか。

そのためにどんな授業を作っていけばいいか

教師はどんな関わり方をしていけばいいか

試行錯誤がはじまります。かっこよく言えば、「教師の主体的な学び」です。

 

 

「どんな力をつけたいか」

それは、今まで『学び合い』で実践していたことと同じなのですが、今年度は『学び合い』を制限されているので、今まで『学び合い』に頼っていた部分を明確にして、意図的に行う必要がある、とも思いました。

 

例えば、やる気。

 

今までだったら、席をたって話しあっているうちに人のノートやプリントを「ちょっと見せて」ができて「いいね」という言葉かけが行われ、おそらくそれが、「やる気」につながっていたのではないか、と思います。「この授業は、自分の頑張ったものを誰かが見てくれる」「いいねって言ってくれるように、仕上げよう」というほどよいプレッシャーが、子どもたちのやる気を持続させた、と思います。しかし、今年度はそれができない。

 

だから、「ちょっと見せて」のない交流と、「いいね」の言葉かけのない関わりを意図的に行いました。そして、教師の言葉かけ「1ヶ月がんばり続けているね」「1ヶ月で上達したね」「あれ、ここ足りてないよ」短く、的確に伝えていく。地味な取り組みに見えて、結構重要だと分りました。上の「学習科学」にあるように、子どもたちに学ぶことを持続するには、「意図的」に関わる必要がある。人間のやる気ってそんなに続くものじゃない。もともと持っていた「やる気」はあるだろうけど、持続させることができた、というのは成果ではないか、と思います。

 

7月の最後の授業で、一人ひとりに一言ずつ「成長したね」と声をかけましたが、今まで担任時代にはできていなかったことだと思います。「意図的」といいましたが、本心で「成長した」と思って声をかけました。ノートを見れば一目瞭然だからです。「書いて残していく」というのは、こういうことのためにあるんだな、とも気づきました。

 

さて、今回の学習指導横領で目指すべき「資質・能力」は

○知識・技能

○思考力・判断力・表現力等

○学びに向かう人間性等(授業では主体的に学ぶ態度)

 

でした。これをどのように、育てていくか。そのヒントになったのが、この本です。

f:id:f-manabiai:20200801100443j:plain私の勤める学校は、1学期の末に通信表を渡すことになっているので、評価も行いましたが、これが一番自分にとって試行錯誤したことではないか、と思います。

 

あらかじめ、7月の復帰に合わせて作っていた「評価基準」は子どもたちの振り返りや、レポートを見ながら何度も推敲を重ねました。最初は、これです。

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そして少しずつ磨かれていった末にできたものが、これです。

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「主体的に学ぶ態度」はもちろん、このような「ふりかえり」のみで測られるものではありませんが、現状を踏まえると、この振り返りだけで評価することが一番シンプルで、一番明確だと思いました。何せ35分の授業で1ヶ月しかない授業をしていない私にとって、9クラスの子どもたちを見とることは、ほぼ不可能だからです。

 

子どもたちに書いてもらったふりかえりを見ながら、「この基準あいまいだな」「これをうまく伝えてなかったな」「あ、自分の意図が分かっている」など色々分かることができました。

そして、より明確に評価でき、子どもたちが「こう考えればいいんだ」と分かるようにしていくことが、ベストな評価だと考えました。

 

もちろん、これは「正解」ではありません。私なりに解釈した「資質・能力」を評価する方法です。あんまり声を大にしていいたくはないのですが「発表を何回・・・」みたいな評価よりは随分マシだと思います。

 

そして、今まで余裕がなくてできていなかった「子どもの書いたものから試行錯誤する」ということをより可能にしているのではないか、と思います。

 

 

長くなってしまったので、具体的にどのように評価したのか。そして、「思考・判断・表現」はどのような方法で評価したのか、つづきはまた書きたいと思います。