先輩からの教え、若手教員として学んだこと
お前、自分がなんでできると思ってるだろ
若手時代、ある先輩から言われた一言です。
その時は、なんのことか、よくわかっていませんでした。
しかし、ジワジワその言葉の意味がわかってきたように思います。
僕は当時、天狗になっていました。
周りに誰も実践していない『学び合い』を実践していて、成果もあらわれている。
運動会の成績もよくて、学級での取り組みも楽しくできている。
授業にも自信がついてきていた。
「俺、結構できるな」
そんなことを思っていたわけではない、と思うけど、僕の言動がそう見えたのではないか、と思います。
この言葉の意味を痛感したのは、学級がうまくいかなくなってから。明らかに子どもたちと距離が生まれてきていることを感じていて、反発をうけるようになっていった。学級内でトラブルも増え、保護者対応もかなり多くなっていきました。毎日が苦しくて仕方なかったです。
その時に、先輩がポロっと言いました。
「お前、自分でなんでもできると思ってるだろ」
その当時は必死すぎて、その言葉の意味があまりわかりませんでした。
ただ一つわかったことは、僕の周りには誰もいなかった、ということ。
一人で悩んでいる時に、周りに「大丈夫」と声をかけてくれる人はいなかった。
僕は一人でした。おそらく、僕の普段の言動が「なんか偉そうだな」「まあ、痛い目見ればわかるんじゃね」「がんばってるね、大丈夫だね」と思われていたんだと思います。または、
全く興味がなかったのかも。
なんとかかろうじて一年を終えたけど、ふりかえってみれば僕は、大事なことをやってなかった。
「これどうすればいいんですか」
「悩みがあるんですけど」
「すごいですね」
「ありがとうございます」
そうだ、僕に足らなかったのは、これだったんだ、と。
この時よりももっと前、教員になりたての頃、僕はまだ正規の教員ではありませんでした。
5回の面接に落ち、「お前は教員として必要ない」と烙印をおされたような身で、学校現場に入りました。その一年は、本当に僕はたくさん指導をうけ、たくさんん教えてもらいました。
そして、学校現場で生きていく方法を見つけました。
「聞くこと」
「あいさつをすること」
「先輩を立てること」
「相談すること」
これは自分のためでもあるけど、実は先輩とうまく過ごしていく方法なんだと思います。
「先輩、教えてください」と若手言われて嫌な顔をする先輩はおそらくあまりいません。
僕は本当に何も分からないやつだったので、とにかく聞きまくりました。また、その当時の先輩は、余計なお世話くらい、世話をしてくれました。今でもその時の教えはわすれません。
その中でも二つ。
「君は素直だから伸びる」
「君はできると思っているから、試験に受からない」
おそらく、その先輩は見抜いていたんだと思います。
そして、5回うけた面接官も。
その点を十分に気をつけて試験を受けたら、通りました。
校長室で泣きました。今でも忘れません。
それからも、たくさんの先輩に出会いました。
相変わらず、僕のでかい態度に対して、気になることがあったのでしょう。
注意してくれる方がいました。その当時は「なんだよ、このやろう」と思ってましたが、
すべて正解です。言ってくれたことを感謝しないといけないです。
そして、今、僕は先輩教員になりました。
昔、僕が教わってきたことを、伝えられているのか。
いまだからこそ思います。先輩方、ありがとうございました。