「学びを止めない」って何だかマジックワードみたいになっていませんかね。
それさえ言えば、何でもアリなんですかね。
今、一番優先しなければいけないことって、感染拡大を防ぐこと、医療崩壊を防ぐことでは
ないのでしょうか。少なくとも、政府や報道機関はそれをずっと言い続けていると思います。
伝わっているかどうか別として。
一番優先しなければいけないことを、こえてしまう「学びを止めない」
いや、確かにそうだ、昨年はすべての「学校が」止まってしまった。
でも「学びが止まった」わけではない。だいたい、学校が「学びをすすめている」かどうか
だってあやしい。いわゆる不登校の子は?学校の授業で学ぶことができていない子は?
なんか学校が開かれていて、登校できることと「学びが継続する」ことがごっちゃになって
いませんかね。
「学びを止めない」なら、学校だけでなく、社会全体で「学び」の場を提供していくことが
肝心なのではないか、と思います。もうすでにフリースクールや、地域の学びの場が現れ続けているという時代。もちろん、学校に比べたらまだまだだけど、学校以外の選択肢が増えることで「学びを止めない」こともできるはず。本来、家庭でもできることだし。
もっとも、学校が止まってしまうことで、一番問題だったのが「つながり」ではないだろうか、と思います。学校からの連絡は途絶え、子どもたちがどのように過ごしているか全然わからない。子どもは友達と関わる機会を持てず、家にずっといなければいけない・・・。そうしたことの弊害がじわじわと数字では現れない部分でできていることを、昨年何度か聞きました。
だから、学校が最初に目指すべきことは「つながり」を戻すことで、それはオンラインで可能になることが分かった。そして、端末が配布され、インターネット環境が整備されることで、
もうつながりが途絶えることは少なくなった。
それがいつのまにか「オンライン学習」となり、「不安を抱える子」のための手段となっていった。なんだか、不安を抱える子が少数派で、変わった人みたいに捉えられるかのように。
結局、学校が再開し、通常通り授業が行われるのであれば、多くの親は子どもを学校に通わせるだろう。そりゃそうだ。子どもたちの多くは学校が好きだ。友達と遊べるし、好きな勉強や活動だってある。家にじっとしているよりずっといい、と思う子だっているはず。そんな子たちにわざわざ仕事を休んでまで家にいろ、とは言わないでしょう。私だってそうだ。
仕事は通常通り行われているんだから、子どもには学校や保育園に行ってほしい。
甘いと言われたらそれまでなんだけど。
それでも学校に行かせないという親と子にオンライン学習を提供することが、
「学びを止めない」ということなんだろうか。それよりも安心できる環境を作って、
子どもたちみんなで学ぶ場を作る方が「つながり」もきれないし、大事なんじゃないかな、と思う。クラスの8割が登校して、まともな判断した2割がなんだか変わり者、じゃ苦しいよなと思う。
これから先は、学級閉鎖、学年閉鎖ありきの学校になる。
いいのか、そんなので。
四方八方ふさがりで、綱渡りな日々を送りながら、学校生活を維持することが
「学びを止めるな」の大義なのでしょうか。
トップ層の結論が、トップ層の意志。
教育に対して、どう捉えているか分かる。
いったい何を維持して、何を目指しているのかさっぱりわからない。
そのような態度にもそのうち慣れて、惰性で過ごしていくのも悲しい。
ああ、それでも日々は進んでいく。