僕がブログを書き続けている理由
もういい年になった。
夢とか希望とか、恋とか想いとかそんなのからは遠のいてしまった。
若い頃は、そういう感情に飢えていたというか、「生きている」って感じがしたけど
今はそんなこともない。そんな感情なんて「自分に合っていない」とか「今の自分には違う」って思いこんでいる部分がある。
不思議なもので、人間というのは歳をとっても精神的に成長していない部分がある。
ふと、子どもの頃の気持ちが蘇ってみたり、すごく恥ずかしい若い頃の失敗を思い出してみたりする。同じ人間が抱いた感情のはずなのに、何か別の他人が感じているかのように思ってしまう。
小説はいい。自分が経験もしない世界を眺めることができる。
自分が感じないような感情を知ることができる。
感じ方が変われば、読んだときの印象は変わる。それもまたいい。
自由な時間がたくさんあった頃、僕は小説を読み耽った。
最初は「文学を学びたい」という浅はかな気持ちだったけど、いろんな作品を読んでいるうちに、自分を少しだけ客観視できるのがよかったんだと思う。何時間も、いつの間にか夜も更けるまで読んだこともある。そして、自分の感情をいつも確かめるように読んでいた。そんな日々も仕事やプライベートの時間に押されて取ることはできなくなっていったけど、こうやって一人の時間をもらってブログを書き続けている。
気分次第でいろんな内容を書いてはいるけど、基本的に誰かに読んでもらうために書いていない。自分が感じたことをそのまま書く。それが僕の基本的なスタンスなんだと思うし、この時間が得られないとどうも気分が悪くなる。
学生時代は、こうやって物思いに耽るとか、小説の世界にはまることをよくしていたものだけど、だんだん「人肌恋しい」とか「行動しなければ何の肩書もない」と思い、焦るときもあった。でも今は、家族がいて、肩書もあるのに、なんだか物足りない気がするときがある。不思議なものだ。
最近、アニメや漫画を見る機会が増えた。
小説を読むよりずっと手軽に異世界にはまれるからだ。
その中で、今日のブログを書く気持ちになった作品がこれだ。
この作品についての記事はまた前に書いたんだけど、
今の自分にはとてもいい作品だった。主人公は17歳の女子高生のはずなんだけど、45歳のおっさんの方に感情移入ばっかりしてしまった。少女漫画ではなく、成人漫画(ビックコミックス)であることからもターゲットはおそらく、30代中盤以降のオッサン向けなんじゃないかな、と思う。
この漫画のおかげで、なんだか忘れていた感情が蘇った気がした。
だからと言って何かを始めようとか、頑張ろうとか思ったわけではないけれど
「蘇った」ことが大事なんじゃないかなって思う。
映画も主題歌もすごくいい。久しぶりにこんなに爽やかな気持ちになれた。