新任教務の5つの学び【教務に関心のある方へ】
主幹教諭、教務担当になり、2ヶ月が経ちました。
この2ヶ月での出来事、学んだことを5つに分けて書きたいと思います。
いつか教務になる方や、今教務をしている方、すでに教務を経験された方などに
プラスになるといいです。
教務という仕事
4月から主幹教諭・教務担当という立場で学校に復帰しました。はじめは業務内容や職場内での立ち振る舞いが全く分かりませんでしたが、最近では仕事のペースをつかめるようになってきました。
教務の仕事をいくつか挙げると
・週案の作成、日々の業務の調整
・校務の割り振り、調整
・児童への指導
があります。上に挙げた「調整」というのがポイントです。日々変更や新規挿入の起こる学校業務において、関係者に確認をとり、段取りを組み直していくことが必要です。例えば、最近では運動会が延期になったことで、様々な予定が変更にならざるを得ず、それをすぐに組み立て直して職員に周知する必要がありました。
このような「調整」がうまくいかないと、肝心の教育活動に支障が出ますし、職員同士のすれ違いやストレスを生むことになると思います。
最近では「〜〜と〜〜を変更して、〜〜します」という案を考えて管理職に提案したり「〜〜が〜〜ので〜〜にします。周知をお願いします」職員にお願いしたりできるようになりました。
幸い、私の勤務する学校の校長・教頭先生は私に対して、丁寧に教務の仕事を教えて下さったので、早い段階で教務の仕事における「調整」を学び、実行することができたと思います。
とはいえ、これから先もまだ未知の行事や仕事がたくさんあります。うかうかしていると「調整」の前に「実行」ができなくなります。だからこそ、同僚に声をかえてもらえる存在でいることも重要。「先生、この週案間違ってますよ」と職員から声かけてもらえれば、自分で気づいていない部分の調整もうまくいきます。
そして、児童の指導。これは後から書きますが、やはり教師である以上、子どもとの関わりができてこそ、教務として認められるのではないかと思います。
今こそ「つながり」が生きる
上にも書いたように、教務になった当初は、仕事に追われる日々でした。そんな中で、どんなに忙しくしようが、どんなに大変だろうが期日を守らないといけない仕事がありました。「教育計画」の提出です。
※「教育計画」とは、主に担任の先生が、どれくらいの時間を使ってどんな学習内容を行っていくか計画するもので、学校の教育活動上なくてはならないものです。教務の一番の仕事と言っても過言ではありません。
本来、教育計画は前年度から作成をはじめ、新年度になって修正を加えて、提出するものです。しかし、色々と事情があって、教育計画をほぼ始めから作り直す必要がありました。ただ、教務になったばかりの僕には、そんな余裕はないし、教育計画の仕組みも全然わかっていません。困り果てた僕は、勇気を出して、近隣の学校の教務の先生に「HELP」を出しました。すると何人かの先輩から教育計画の仕組みや、作成方法のアドバイスをくださいました。以前の同僚が心配して、わざわざ手伝ってくれたりもしました。すると、だんだん教育計画の全容が見えてきて何をすればいいかわかってきました。
少しずつ作成している過程で、大きな問題点が見つかりました。前年度から引き継いだデータに不足や不備があったのです。こればかりは、先輩の先生を頼ってもダメ。途方に暮れていたところ、ダメ元で以前から親しくしていたSEの方に相談してみました。なんとものの何分かで僕が途方に暮れていた問題を解決してくださり、一気に形成が逆転しました。
これならなんとかなる!そんな希望も持てるくらい見通しが持てました。
教務の業務は日中たくさんあるので、教育計画のことは全く手がけることはできません。働き方改革と逆行しますが、早朝や休日を使って作成を行いました。最終的には締め切りの1週間前には作成が完了し、管理職に目を通してもらって、提出することができました。
当たり前ですが、同僚は私が教育計画に奮闘していたことなんて知りません。私自身も学級担任時代、自分のことで精一杯だったし、教育計画のことは知ってはいたけど、教務がいつどのように作成しているかなんて関心も持っていませんでした。だから知らなくて当然です。
「俺はこんなに頑張っているのに!」という発想は捨て、「この短期間のあいだに、日中の仕事と並行しながら教育指導計画をまとめられた、俺、よくやった」「ピンチになったからこそ、周りに助けを求められたし、教育指導計画のことを学べた」と思うようにしました。
自分で自分を励ましたり、前向きに物事を考えるようにすることは、目立たない教務の仕事を行う上でとても大事なことだと2ヶ月で感じました。
同僚になった
最近感じることの一つに「同僚になった」があります。
それは、同僚から相談を受けたり、雑談ができるようになったりしたなと感じたということです。そう感じることができたのは「子どもと向き合う」ことをしていたからだと思います。
教育は、学校は子どもあってこそ。そして、子どもに丁寧に指導し、前向きに子どもと関われり、子どものことを大事に考える「子どもに向き合う」教師こそ信頼されると思います。
学校にはいろんな子がいますが、どの子にも公平に接し、いつも笑顔でいれば、子どもたちは応えてくれます。そして、そんな姿を同僚たちは見ていると思います。
子どものことは、同僚全員の共通話題です。多くの教師は「子どもは可愛い」「子どもたちは面白い」「子どものよさを育てていきたい」という気持ちをどこかで持っています。だから積極的にそのような話題をつくる。子どもへの愚痴は、一見盛り上がりそうに見えますが、あまり良いことはない。意識して子どものよさを話す方がいいと思います。
この2ヶ月で変えた仕組み
はじめての教務の仕事、たちはだかる教育計画。
それだけでもう十分な気もしますが、現状に満足できないのが私。
「こうすればもっといいのに!」
という気持ちがフツフツと湧いてきます。そしてどんなに忙しくても「頑張れば変えることができる」ということに対しては、モチベーションが高まります。もちろん、全体に関わることで何かを変えるためには、僕だけがモチベーションを上げてもダメ。周りの反応を見極めながらしっかり準備をして、変えることが必要です。また、上に挙げたような教務の仕事をこなしていなければ、周りの納得は得られません。
仕組みを変えることに対して、抵抗感を持つ方がいるのは当然です。
しかし、一度仕組みに慣れてしまえば、違和感を持たなくなります。
携帯電話がガラケーからスマホに変わったことと同じです。
それならば、変えるべき時に「一番ベストな仕組み」に変えてしまうことが肝心だと思います。さて、どのようなことを変えたかというと
・職員連絡会で行う情報共有のプラットフォームをGoogleドキュメントにした
・ホームページをGoogleサイトにした
・テレビ朝会をGoogle ミートを使ったオンライン朝会にした
他にも変えたものはいくつかありますが、大きなところでは、こんなところです。
これでもけっこうすごいんだぜ(笑)
マニュアルを作り、関係者に説明をし、面倒なことはすべて自分で請け負う覚悟を持って、行動しました。不思議なもので「流れ」というものは突然やってくるもので、僕が「変えたい」と思っていることが周りから提案されたりすることもあります。意外と「変えたい」と思っているけど、遠慮したり、タイミングがなくてできないままになっている方もいるということも知りました。
いずれにしても、誰かが動けば変わる。それなら僕がやろう、と思えました。
これからしたいこと
上に挙げたように、私は身の回りの環境をよりよくしたい人です。学級担任時代は、授業や教室環境をよりよくしたいと思って活動していましたし、子どもたちにも「みんなでよりよい社会をつくっていこう」と語っていました。
学級担任のままだと、学校全体に影響を与えることは限られますが、教務であれば、学校全体に影響を与えることができます。もうすぐ夏休みがやってきますが、夏休みにどんな研修や作業を行うか計画するのは教務の仕事です。僕はこの機会に「職員室のリフォーム」と考えています
「職員室のリフォーム」とは、職員室にある不要なものを捨てて、どこに何があるのかわかるようにするということです。ただこれは、一人でやれることではありません。同僚たちを巻き込んで取り組むからこそ、いい職員室がつくれると思います。教室と同じです。幸い、今の職場には「職員室をリフォームしたい」と手を挙げてくれる方がいます。このままその方々と動いていれば、集団の中で「なんか楽しいことやってる人たちがいるぞ」という雰囲気が生まれ、近づいてくる方がいるのではないかと考えています。
「職員室リフォーム」の他にも、その他の特別教室をきれいにしたい。職員室の中で「みんなで自分たちの環境をよくしていこう」という雰囲気が生まれたら、活気が出てくると思いますし、みんなが働きやすくなると思います。
願わくば、授業や学級経営、ICT活用を学ぶ場をつくりたいけど、それはまだ先。
まずは目に見えるところから。「この学校働きやすいよね」「この学校、いい学校だよね」とみんなが思えるようになることが僕の目標。まだ2ヶ月しか経ってないけれど、なんだかできそうな気がしています。ワクワク。楽しみです。
まとめ
この2ヶ月での出来事、学んだことを5つに分けて書きました。
いつか教務になる方や、今教務をしている方、すでに教務を経験された方などに
プラスになるといいなと思います。
最後に一言。
「学校は楽しいぜ」
以上です。