全員が分かる②
「先生の授業だりい」と言われてから、目が覚めました。
いや、それが決定打になっただけで、もう少し前から
「自分(教師)一人で「全員が分かる」授業をするのは不可能だ」ということはわかっていました。
テストをしてみたら、点数に表れていない子
発問したことが理解できずに、学習が進まない子
学習自体にやる気が持てない子
このような子たちを無意識に「知らないふり」をしている自分がいること
または、その子たちのせい、その子の親のせいにして、自分自身の責任を転嫁していること
そのような自分がいることに目を向けないままでいることもわかっていました。
そのようなことを感じる一方で、一つの憶測が自分の中にありました。
「子どもたち同士で教え合った方がわかる」
いわゆる「ミニ先生」ではありません。「ミニ先生」ももちろんチャレンジしたのですが、
結局仲良しの集まりや、「教える子」ー「教えられる子」の構造になり、しっくりきませんでした。
「子ども同士で教え合ったって、大事なことはわからない」
そう思う方は多いと思います。私も「この授業なら教え合った方がいい」とか「まとめは教師がしないといけない」と思っていました。
ただ、子どもが私に言うんです。
「◯◯さんから教えてもらってよくわかった」
「先生の授業は聞いてばっかりで、質問ができなかったけど、友達ならすぐに聞ける」
「先生、今日は教え合う授業しないんですか」
子どもたちがそう言うたびに、僕は今までの自分を疑いました。
「本当に自分がやってきたことは、正しかったのか。全員が分かることを目指していたけど、自分の考えを子どもたちに押し付けてきた
だけじゃないか」と。
それから、少しずつ少しずつ、自分が「当たり前」と思っていたことを手放していきました。
すると、大きな変化が生まれていきました。
つづく